親と子が離され、ビンタ、正座、食事抜きなど体罰は当たり前、男子は丸刈りで女子はショートカット、お小遣いはもらえず、すべての物が共有で、テレビや漫画を自由に見ることもできない……。そんな「カルト村」で生まれ、自身の小学生時代を描いた実録コミックエッセイ『カルト村で生まれました。』でデビューした高田かやさん。2冊目の『さよなら、カルト村。思春期から村を出るまで』では13歳から自らの意志で村を出た19歳までを描き、3冊目の『お金さま、いらっしゃい!』では、村を出た後に出会った「ふさおさん」と結婚したり、仕事を見つけて働いたり……といった一般社会での日々を「お金が持てなかった村出身者」の視点で描き、話題となりました。

 

カルト村の子守唄

 そして今回、自身の幼少期の思い出と、「普通の大学生だった両親が、なぜ村に入って結婚したのか?」を著者自らが探って描いた「特別編」を収録した「カルト村シリーズ」の4冊目『カルト村の子守唄』を描き上げた高田かやさんのインタビューと漫画をお届けします!(全3回の2回目。1回目3回目を読む)マンガ#2を読む)

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揉め事が起きると、一番上の子に従っていた幼少期

『カルト村で生まれました。』

――『カルト村の子守唄』(幼少期)を読んで、この頃の村が『カルト村で生まれました。』(少女時代)で描かれていた村よりも自由でゆるやかだったことに驚きました。漫画も読めたし、テレビも自由に見ることができたそうですが、子供同士でチャンネル権を争って喧嘩になったりは……?

高田 テレビを自由に見ることができた頃、子供たちの中で一番年下だったため、チャンネルには一切タッチできませんでした。なにか揉め事が起きると、その時そこにいる一番年上の子に従っていたと思います。上級生たちは5歳の私からすると雲の上の存在で、何を話して何を争っているかなどはほとんど分からないし、ただついて歩いて言われたとおりにするだけで精一杯でした。

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突然テレビが禁止に

――突然テレビが禁止になって、それまで自由に見ていたお笑い番組や歌番組が見られなくなるなんて、受け入れがたいことだと思うのですが……。子供たちの反応はどうだったのでしょうか?