「始まった番組っていうのは責任があるんですよ! 好きになるだけならせといて(終わってしまうと)急に振られる感じ」
銀シャリ・橋本は先日の『さまぁ~ず論』(テレビ朝日系)の中で、好きだった番組が終了するときの視聴者としての心境をこう表現した。まさにそのとおりのことを『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』の最終回で痛いほど感じてしまった。この番組は2019年10月から金曜深夜枠で、爆笑問題率いるいわゆる「ボキャブラ世代」と霜降り明星率いる「第7世代」の芸人がそれぞれロケに行き“対決”する番組として始まった。だが、コロナでロケに行けなくなると苦肉の策か、芸人のB級ニュースを、本当のニュース番組風に伝える企画「芸人シンパイニュースショー」とスタジオトークが中心の番組にリニューアル。これが大当たりした。愛すべき芸人の実情を伝えるこの番組は、芸人たちやお笑いファンに深く愛された。とにかく芸人たちが楽しそうなのだ。1年後の10月には日曜の21時55分からの30分番組に昇格。だが、それから1年で最終回を迎えてしまったのだ。
最終回ではこれまで「シンパイニュース」で取り上げてきた芸人たちの近況が伝えられた。このコーナー第1回目の“ニュース”は「錦鯉の長谷川雅紀さん48歳(当時)が収入難を理由に後輩芸人から300円借りていたことが明らかになりました」というもの。まだブレイク前の錦鯉・長谷川がいち早く紹介されていた。いまでは逆にお金を貸す立場にまでブレイクしたのだ。他にもこれまで追ってきた芸人シェアハウスの存続危機やヒコロヒー、ニューヨーク、ナダルといった売れっ子からソラシド・本坊、さらにはBOOMER、ノッチといった深夜時代の常連組の近況も。
スタジオトークでは番組終盤に突如できた企画「シンパイな生き物図鑑」の話題に。「あのへんの企画のせいちゃうん? 『シンパイ賞』がおかしくなったの」と粗品は言う。確かに視聴者から見ても“迷走”を感じるものだった。けれど、勝手な想像でしかないが「このままだったら終わらせるからなにか手を打て」というようなことを編成などの上層部から言われて始めた企画ではないか。だからこの企画のせいというよりも、それをやっても挽回できなかったということだろう。そう思うと余計に哀しい。かつてリニューアルを大成功させた番組だけに、それがいかに難しいことなのかもよくわかる。バラエティ番組は一度終わってしまうと、復活することはなかなかない。あっても以前のようなテンションを維持できず失敗することが少なくない。けれど、“好きにならせた責任”は取ってほしい。何よりそれを芸人たちが望んでいるはずだ。
INFORMATION
『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』
テレビ朝日系 番組終了
https://www.tv-asahi.co.jp/shimpai/