「痛い目を見たけど忘れられない」
闇スロ店の主力スロットは今でも「4号機」である。闇スロに流れてくる客は、現在の表のパチスロ台の主流である“安く遊べるけど出ない”マシンに飽き足らない人たちなのだという。もともとパチンコ店で遊んでいたスロット台だけに触りやすいし敷居も低いことも、闇スロに普通の人が流れやすい一因なのである。
「4号機に散々、痛い目を見たけど、あの射幸性の高さが忘れられないというファンがいるんですね。だからパチンコホールと同じで並んででも来る。しかも闇スロ店ではドリンクとかタバコとかが無料で提供されるので居心地は更にいい。
闇スロ店の客の多くは、闇カジノ業界でいうところの『小者』です。(*小物(コシャ)は5万~10万円ぐらいしか使わないが、ある程度遊ぶ客を指す)
でも、小者は闇スロでは結構いい客と見られる。例えば10万とか20万とかでも、30台ぐらいのマシンが埋まってお客さんが長く遊んでくれていれば闇スロ店としては儲けになるからです」
パチンコ業界との「持ちつ持たれつ」
闇スロ店とパチンコ業界のグレーな関わりを示唆しているのが、その営業時間帯である。闇スロ店の営業時間は基本的に21時~翌朝10時である。24時間オープンしている店もある闇カジノと比較するとその営業時間帯は短い。
それには大きな理由があるのだという。
「06年に闇スロ店をオープンした時に、他の闇スロ店が摘発されたみたいな話をよく聞いたんですね。金主であるパチンコ店オーナーに聞くと『商売敵になるのでパチンコ店が警察に圧力をかけて摘発させている』というのです。
それでパチンコ店の営業の邪魔にならないよう、闇スロ店は21時~翌朝10時を営業時間とするようになった。パチンコ店は東京では10時~23時まで営業していますが最終の客が入るのが21時くらい。だから闇スロが21時オープンでも許容してもらえるのです。客を取り合わないように、徐々に持ちつ持たれつの関係になって行ったのです。
パチスロも闇スロもギャンブルの仕組みは同じ。レートが違うだけで、表と裏で共存していく形なんですね。お客さんもパチンコ店から闇スロに流れてくる人も多いし、逆に闇スロで朝まで遊んでその後にパチンコ店に行くという人もいる」