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異例の対応「一時金受け取り辞退」と「儀式見送り」

 世間の風向きを考慮してか、眞子さまが結婚により皇籍を離れられるにあたって、2点の異例の対応がなされている。最高1億5250万円(内親王=天皇の娘や女性の孫など=である眞子さまの場合)に達する国からの一時金の受け取り辞退と、関連儀式の見送りだ。

 一時金辞退については眞子さまが結婚の準備が始まる以前の2014年の段階から希望されていたことを宮内庁が公にしている。また、2018年の誕生日会見で秋篠宮さまは「多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況にならなければ、 私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」とおっしゃった。つまり、秋篠宮は現状について、「多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況」ではないと判断されたのだろう。

2017年5月、大英自然博物館展をご覧になる秋篠宮ご夫妻と眞子さま ©JMPA

 女性皇族が結婚する際には、戦前の皇室令に基づき、5つの儀式が行われるのが慣例だったが、今回はすべて見送られる。驚くことに、この中には、皇室が重視する祭祀をつかさどる皇居・宮中三殿に参拝する儀式も含まれている。宮中三殿には皇祖の天照大御神や、歴代天皇や皇族の御霊がまつられているのだ。眞子さまは儀式ではない形でお一人で拝礼すると宮内庁は発表したが、いかに普通でないかは皇室に詳しくない方にも伝わるだろう。結婚で皇籍離脱する女性皇族が一時金を受け取らないこと、関連儀式を経て結婚しないことは、いずれも戦後初だ。

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一時金の支給理由は「品格の保持」

 なお、高額の一時金辞退についても、賢明な判断とは言い難い面がある。皇室経済法で定める一時金の支給理由は「品格の保持」だ。結婚後に眞子さまが暮らすとみられているニューヨークは物価が高く、最近ではアジア系の住民を狙う犯罪も起きている。品格を保ち安全に過ごされるには、セキュリティの整った住環境など、相当の金額が必要だ。資金を含め、万全の備えがない中で「元皇族」が引っ越してくるのでは、米国側も困惑しかねない。

 ただ、眞子さまは、9月まで勤務していた東京・丸の内の博物館「インターメディアテク」の給料に加え、これまで同法に基づいて成年の皇族費を年間915万円受け取られており、相応の貯金があることは推察できる。