4人の子ども全員を東大理3に合格させ、「佐藤ママ」としてTVに引っ張りだこの佐藤亮子さん。そんな佐藤さんが「どうすれば自分で勉強をする子に育つのか」といった悩める親からの「100の質問」に答えたのが、『勉強する子になる100の習慣』(文藝春秋)です。

 同書より一部抜粋して、子どもの教育について紹介します。(全2回の1回目/後編を読む)

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1.偏差値を考えることから始める

Q.進学先の学校はどうやって決めたらいいでしょうか?

 

A.まず偏差値。行きたい学校に行くのではなく、行ける学校に行くことです。

 なんといっても、偏差値を考えることから始めることです。小6の4月ごろにそれまでの自分の偏差値を元になんとなく志望校を考えることから始めましょう。夏休みを必死に頑張ったあとの8月の偏差値で、現実的な第一志望校をしぼることです。長い間憧れていた学校の偏差値と10も20も離れていたら合格の可能性はかなり低くなります。秋には、そろそろ夢から目を覚まさないと合格はできません。

 自分の偏差値と5離れている学校は、まだまだかなり可能性はありますね。もう一つ決める条件としては、通学時間です。我が家は息子たちが、奈良の自宅から灘校まで電車に乗っている時間が1時間40分でその前後の移動時間を入れると片道2時間かかっていました。娘は電車に乗っているのが55分、前後の移動時間を入れて1時間30分でした。

 その経験から考えると、中学生や高校生にとって男子には片道2時間、女子には1時間半が限界ではないかと思います。中高生は、荷物が多く重いので体格のいい男子でも疲れるし、女子はそこまで体力がありませんのでより疲れるから、通学時間は短ければ短いほどいいということです。自宅から通学に使う電車やバスなどの交通機関と偏差値を考え合わせて志望校を決めるには親の助けが必要です。入学試験というものは、「行きたい学校に行くのではなく、行ける学校に行く」ということを基本的な考えにし、合格を最優先に考えてください。