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5.寝ること以外は1人にさせない方が健全に育つ

Q.子ども部屋を与えると、そこにこもりっぱなしになってしまうのではないかと不安です。

 

A.子どもは寝る部屋は必要ですが、寝ること以外は1人でさせない方が健全に育ちます。

 親の目が届かず何をしてもバレることなく気楽に過ごせる子ども部屋という場所は、子どもにとっていわば「安楽の場所」となるでしょうね。子どもには、それぞれの年齢で学ばなければならないことがあります。その内容は容易に身につくものではなく、かなり時間をかけてトレーニングを繰り返さなくてはなりません。

 そのような大変なことを、子ども部屋で子どもが1人で着々とすることはできないのはお分かりでしょう。今の子どもたちは、特にネットに対するハードルが低く、気楽にスマホなどを手に取り長い時間過ごしがちです。そのようなことをすると、当然つらい勉強などはしないことになりますから、学力はつきようもありません。

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 子どもは寝る部屋は必要ですが、寝ること以外は1人にさせない方が健全に育ちます。自分の部屋に入ってドアを閉めたら、親でもいきなり開けたりすることは揉め事の原因になるのは間違いなく、そうなると親は気を使って軽くノックをして子どものご機嫌を伺うことになります。親がそのような態度を取らざるを得ない家庭の中で子どもが「よく学びよく遊ぶ」ように育つでしょうか? 

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 子どもは中高生になるとより部屋にこもるようになりますから、親子の会話がほとんどなくなります。そうなると、受験校の相談もしなくなり「不合格」がより近づいてくる事態になります。受験は、親子やきょうだいで一致団結して向かうべきものなので、良好な関係が下支えになりますから、子ども部屋にこもるような状態ではなかなか難しいということです。

【後編を読む】「親がするべき“しつけ”は?」「子どもをどのように怒ればいい?」4人の子どもを東大理Ⅲに合格させた佐藤ママの“教育方法”

 

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