あなたは「おへそのそうじ」をする派? それともしない派?
ずいぶん前に小欄で、「耳かき」について書いたことがある。耳あかは自然に外に押し出されるので、基本的にはそうじをしなくても大丈夫なのだが、それ以上に問題なのが「耳かき」という行為に伴う快楽に惹き寄せられて癖になってしまい、外耳道炎などの障害を引き起こしている人が少なくない――という内容だった。
ではおへそのそうじはどうなのか。そこに快楽はあるのだろうか。そもそも「へそのごま」の正体は何なのだろう。
「へそのごま」そうじは賛否両論
私たちが日頃「胡麻」と呼ぶのは、ゴマ科ゴマ属の植物の種子のこと。カルシウムや鉄分、マグネシウムなどの栄養成分が豊富に含まれていて、その成分を配合したサプリメントなどを利用する中高年の人たちが、元気で若々しい生活を送っているとかいないとか……。
そんな結構なものがおへそから収穫できるならありがたい。おへそからごまを取っては食べ取っては食べを繰り返していれば不老長寿が実現することになってしまう……が、読者諸賢ご推察の通り、そんなことはない。
順天堂大学元先任准教授で、現在は千葉県成田市にある岩沢クリニックに勤務する太田剛志医師(婦人科腫瘍学)は一刀両断する。
「へそのごまは、ただの垢です。垢とは皮膚の角質が古くなって脱落したもの。溜めたところで役には立たないし、逆に悪臭の元になるだけです」
ならばおへそのそうじは積極的にするべきなのか――。これについては、医師の間でも意見が分かれるらしい。