今年8月27日、子供向けのアクセサリーや雑貨の製造、販売を手がける「サン宝石」が甲府地裁に民事再生法の適用を申請した。負債額は21億7000万円にのぼるという。

「サン宝石」はカタログ注文などの通信販売を中心に事業を拡大。2002年からは全国に直営店を展開し、2013年には約42億6200万円の売り上げを計上していた。

 そんな「サン宝石」がなぜ経営難に陥ってしまったのか? 会社の歴史からオリジナルキャラクター“ほっぺちゃん”の誕生秘話まで専務取締役の渡邊駿氏に話を聞いた。(全2回の1回目。後編を読む)

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強みはカタログの制作力

――まずはサン宝石さんの歴史についてお伺いしていきたいのですが、創業はいつでしょうか。

渡邊駿専務取締役(以下、渡邊) 1967年ですので、50年以上前になるかと思います。山梨県の下部というところで創業しました。当初は、山梨県の地場産業の宝飾を取り扱っていた会社でございます。

渡邊駿専務取締役 ©文藝春秋(撮影・宮崎慎之輔)

――当時から通信販売をやっていたのでしょうか。

渡邊 そうですね。通信販売は創業してすぐに始めた事業です。

――そこから子供向けのアクセサリーや雑貨の通信販売を始めたそうですが、きっかけはなんだったのでしょうか。

渡邊 宝飾通販を始めて3年くらい経ったところで、広告代理店の方からアドバイスをいただきまして。それから子供向けのアクセサリー、雑貨みたいなものを取り扱い始めたのがきっかけです。

――子供向けの通信販売を始めた当時は、すぐに成果は上がったのでしょうか。

渡邊 売り上げが伸びたのは本当にすぐだったそうです。というのも、もうすでに宝飾通販の方で、会員の名簿というものは出来上がっておりましたので、そこに向けて(子供向けの商品の)販促をしていったということで、効果としてはすぐにみられたと聞いております。

――このカタログ作りにもこだわりが詰まっているのでしょうか。

 

渡邊 弊社の強みは、このカタログの制作力だと思っております。(カタログを)開いたときに本当にワクワクするような商品がたくさん並んでいて、キラキラしている紙面作りを心がけております。

(カタログには)いろんなアイデアが詰まっているのですが、簡単なところでいいますと、きっちり綺麗に揃えて商品を見せるというかたちではなくて、あえてバラバラに配置しています。本当に宝石箱をひっくり返したようなかたちで、それを見たお子様がワクワクしてお買い求めていただけるような紙面をコンセプトとしております。