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「孫にうつったらどうするの」“中高年のアイドル”綾小路きみまろ70歳がコロナ禍で畑仕事に専念した理由

「孫にうつったらどうするの」“中高年のアイドル”綾小路きみまろ70歳がコロナ禍で畑仕事に専念した理由

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 それまで3分あればお客さんを掴めましたが、どうしても10分以上かかってしまいます。どうやって笑いを取るか、すごく悩みましたね。

 そこで、それまでの2倍くらいの力を出すように心がけています。今までもがむしゃらにやってきましたが、さらに必死にです。毎回汗だくになりながら、大きな声でガンガンと。一生懸命やれば必ず伝わると思って頑張っています。

富士山の麓で農業に精を

 ライブを再開するまでの半年間、富士山の麓に籠っていました。農業に精を出していたんです。

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 実は、芸能界でブレイクする10年程前に、山梨県の富士河口湖町に家を建てていました。富士山を眺めながら畑を耕すスローライフを楽しもうと思っていたんですが、有難いことにメジャーデビューCDがきっかけでブレイクし、この20年はほとんど河口湖で過ごせませんでした。

「おまえもちょっとは休憩しろよ」と、コロナが言ってくれたのかな。

敷地250坪の農園で

 ライブがなくなった3月以降はちょうどいい機会だと思って、マイクと扇子を、鍬に持ち替えて畑仕事に専念することにしたんです。

 朝から晩まで一心不乱に畑を耕しました。敷地250坪の農園にナス、かぼちゃ、オクラ、にがうり、トウモロコシ……大量に収穫しては、友達に配りました。マロウ、レモンバーベナーといったハーブも植えてハーブティを楽しみました。

 今年も3月からずっと農作業を続けています。今年は、トマト、じゃがいも、モロッコインゲン、ズッキーニなどの野菜がたくさん採れました。濃厚接触ならぬ「農耕接触」ですよ。

 毎日、農作業を続けていると、18歳までの少年時代、それから上京したばかりの頃を思い出しましてね。