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西野 極端なことを言うと、今普通にセックスできている男性も、思春期に一歩間違って床オナにハマっていたりしたら、射精障害になっていたかもしれない。

小堀 そういうことです。実際、15歳から床オナを繰り返していた人が、35歳になって女性の膣に挿入して腰を動かして射精するというのは、普段は右手で持つ箸を左手に持ち替えろと言われるくらい難しい。私は、「射精は一日にして成らず」とよく言っているのですが。

西野 若い時期から、日々鍛錬する必要がある。

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「教える側の中学や高校の教育に携わる人たちが、まずは実態を知り、正確な知識を身につけてほしい」

小堀 重要なのが、訓練の手引きになる知識です。男性ならば、思春期の頃に先輩や同級生と「もう出たか?」なんていう話をした経験があると思います。「握ってピストン運動するんだ」という話を聞いて、試してみたという人もいるはず。そんなやり取りも通じてオナニーの方法を自然に学んでいるのだけれど、そうした情報には、不適切なものが混じることもあるわけです。まして今は、ネット上にその手の話がゴマンとアップされていますから。

西野 興味津々の年頃の男子がミスリードされる危険性は、以前よりも高くなっているのかもしれません。

©iStock.com

小堀 それだけに、教える側の中学や高校の教育に携わる人たちが、まずは実態を知り、正確な知識を身につけてほしいと思うのです。

西野 「親の責任」はどうでしょう? 「Schoo」の講義の際には、受講生から「親として、子どもにどのように教えたらいいのか、戸惑いもある」、逆に「小さいときに、それと知らずに性器を触っていたら、親に『とにかくやめなさい』と言われて納得できなかった」といった率直な声が寄せられていました。

小堀 私自身、4人の男の子の親なので、そのへんの難しさはよく分かります。男の子のオナニーに関して言えば、父親がきちんと向き合って、腹を割って話すことができれば最良だと思うのですが。息子のオナニー現場に遭遇したら、むしろチャンスかもしれませんね(笑)。

西野 「出産シーンとか、生まれたての赤ちゃんの姿には、言葉にできないくらいの感動を覚えます。性教育は、そういうところから始めたらいいのでは」という提言もありました。

小堀 実際、生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこさせて、性の尊さを教えるといった取り組みも行われていますよね。その感動をとっかかりにして、セックスや避妊などのことを教えていくというのは、とてもいいことだと感じます。

【前編を読む】「自慰行為」が有害でないことは共通認識になりつつある…それでも“オナニー”に対して“うしろめたさ”が生まれてしまうワケ

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