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川崎さんの5人の子供のうち1人は同じように脱北して日本にいるというが、残る4人は北朝鮮にいる。年に何度かコレクトコール(受信者が電話料金を負担する電話)でかけてきていたというが、徐々に頻度が減り、一昨年の11月以降、連絡が途絶えた状況が続いているという。
コロナ禍の北朝鮮も食糧危機「あのときと同じ」
「北朝鮮でも国際電話はできます。平壌には国際電話センターがあり、コレクトコールで日本と通話ができます。地方都市のホテルにも国際電話はありますが、いずれも公の電話で、話したいことを話せません。中朝国境地帯では、北朝鮮側で中国の携帯を、金を払って借りることのできる業者もいます。しかし、まったく連絡がない。雀の涙ほどですが現金書留を送ったりもしているのですが、どの子からも連絡はありません。
金正恩は、今年4月『苦難の行軍』という言葉を使いました。これは殺人事件が横行した飢饉のときにも使われた言葉なんです。今の北朝鮮はあのときと同じような状況になってしまっているのではないか。餓死者が出ているという報告もあり、心配で仕方がありません」
川崎さんら脱北者の男女5人は、長期に渡り過酷な生活を強いられたとして、計5億円の賠償を求め、北朝鮮政府を提訴している。川崎さんは「賠償を求めてはいますが、多くの人に知ってもらうことで、日朝間の交渉を有利に進めていきたいという思いもあるんです」と語っている。
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