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 ある一社で実際に面談を受けた。「反社会的勢力との繋がりはありませんよね?」といった質問をされた後(繋がりがあったとしても正直に言わなくない!?)、タトゥーを見せるように頼まれたのには、さすがに少し抵抗を感じた。太もものタトゥーは、服を着ていると見えない。相手が女性とはいえ、なぜ初対面の相手の前でズボンを下ろさねばならないんだ……。なお、タトゥーはものさしで丁重にサイズを測られた。

 現在加入しているところは、「タトゥーと言ってもファッションタトゥーですよね?」と一言確認されただけで終わった。ただ、勤め先で入っている保険でお世話になっている方に個人向けの保険もお願いした形なので、それでスムーズに進んだところは多分にあるだろう。

「和彫りか否か」が大きな分かれ目になる

 大手生命保険会社にタトゥーの扱いについて質問したところ、第一生命と住友生命は「タトゥーを入れている方には基本的に商品のご案内をしていない」、日本生命は「加入自体がNGということはないので、いったん面談を経てから商品を案内したい」、明治安田生命は「商品によっても加入できる/できないが変わるので、どの商品を希望するかも含めて総合的に判断させてほしい」との回答だった。

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 要するに「一律NG」、もしくは「ケースバイケース」ということらしい。そして、問い合わせをしているうちに気づいたのだが、「和彫りか否か」は大きな分かれ目のようだ。各社の担当者にまずタトゥーの絵柄やサイズを確認されることや、「要するに、いわゆる“ファッションタトゥー”ですね?」といった言葉から、ケースバイケースの中でも和彫りかどうかが最初の分岐になっていることを感じた。

和彫り。「ヤクザの入れ墨」と言われたとき、人々が想像するものだろう

 2018年まで某生命保険会社に勤務していた知人にも話を聞いた。「今は違うかもしれないし、会社によりけりの部分ではある」と前置きした上で、彼女はこう語る。

「生命保険会社がタトゥーを入れている人間を警戒するのには、『反社会的勢力との繋がりの可能性』と『健康リスク(器具が十分に消毒殺菌されていないと、施術時にC型肝炎やHIVなどの病気に感染する可能性がある)』のふたつの理由があります。

 そのため本来は簡単な手続きの契約でも、身元照会や血液検査が必要になる場合があります。また、希望する商品やタトゥーの範囲などによって加入手続きの流れが変わるので、『タトゥーを入れているお客様にはこういった対応を取る』とは一概に言えないんです」