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最後の最後まで見守っていて下さい

 あれから四半世紀。仰木マジックのDNAは中嶋聡監督に受け継がれ、25年ぶりの日本シリーズ進出は最後の最後にバスターで小田選手が決めてくれました。小田選手は今季、ヒットが1本だけ。今季は代走と守備固めのスペシャリスト。負けてる最終回にノーアウト一、二塁でバッターボックスに来たら、そらバントやと思いますよね。そんな子が最後に日本シリーズ進出を決めるタイムリーヒットをバスターで決める。まさに仰木マジックみたいでした。中嶋監督のゲーム展開をドラスティックに変える巧みな采配、選手起用に酔いしれた今季でした。

 フロントには福良さんがいて、一塁コーチャーズボックスには田口さんがいて、中継解説席には星野さん、山沖さん、弓岡さん、塩崎さんらがいて、二軍には平井コーチがいて、色んな歴史を知る方たちが一つになって勝ち得た2021年でした。仰木さんも天国で喜んでくれているはずと皆が思っていらっしゃいます。イチローさんも讃えてくれているはずです。オフだから神戸からかなあ、きっと世界のどこかで観てくれているはずですよね。

 さあ、仰木さん、いよいよ日本シリーズです。お願いがあります。最後の最後まで見守っていて下さい。ブレーブスファンもブルーウェーブファンもバファローズファンも全員で一つになって進んでいく力を下さい。「全員で勝つ」これが今のオリックスの合言葉です。25年も待ったんです。僕なんて気が付いたら41歳になってました。会社も辞めてました。だから全員が一つになって歓喜できるように天国から仰木スマイルで微笑んでいてください。

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 紅き猛牛軍団が蒼き波に乗って優者(勇者)となる瞬間を見届けて下さい。

 みんな仰木さんの事が大好きです。長々と失礼致しました。

敬具

兵庫県小野市出身 田中大貴

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