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東海道新幹線「のぞみ」の“ナゾの通過駅”「掛川」には何がある?

2021/11/01

genre : ライフ, , 歴史, 社会

 10月の末、東海道新幹線で大阪に行く機会があった。といっても、あちこちの駅を訪れてはあれこれ書き連ねるという仕事をしているので、新幹線にはよく乗っている。だから改めて言うほどのことでもないのだが、それでも10月末の新幹線の旅は久々の雰囲気を味わった。

 というのも、緊急事態宣言が明けたおかげで新幹線がたいそう混んでいたのだ。ここ1年半ほど、緊急事態宣言中だろうがそうでなかろうが、新幹線はずーっとガラガラだった。乗る直前にきっぷを買っても座席は選び放題。窓側が空いてないなあ……なんてことはまずあり得なかった。

 ところが今回ばかりは窓側に座ることができなかった。そりゃあね、社会の状況もあまり考えずに発車直前に指定席券を買ったのだから自業自得なんです。でもね、あまりに久々に通路側、それもお隣に見知らぬ客が座っている状態で旅をしたもので、妙に居心地が悪かったのであります。

 さて、そんなことはどうでもよくて、今回は新幹線の駅を訪れた。大阪に行くときに使う「のぞみ」は見向きもしない、新幹線の小さな駅だ。それどころか、「ひかり」も停まらない。東海道新幹線において「こだま」しか停車しない駅は3つ、新富士・掛川・三河安城だけ。その中で、今回訪れたのは掛川駅である。

東海道新幹線「のぞみ」の“ナゾの通過駅”「掛川」には何がある?

「掛川」には何がある?

今回の路線図。「掛川」は東海道本線の駅として1899年に開業した

 掛川駅があるのは静岡県。東海道新幹線だけでなく、在来線の東海道本線も停車する。“も停車する”などと付け加えのように書いてしまったが、もとはといえば東海道本線の駅として1889年に開業した駅なのだから、「こだま」しか停まらない東海道新幹線はむしろ脇役。ほんとうならば東海道本線の駅、というべきところだろう。

 

 それでも今回は新幹線に乗って訪れた。東京から「こだま」に乗っておおよそ1時間半。途中で何度か「のぞみ」に追い抜かれて切ない思いをしつつ、小田原も三島も静岡も通り過ぎた先、浜松の少し手前に掛川駅がある。ちなみに「のぞみ」に1時間半乗ったら名古屋駅。超特急の新幹線とはいえ各駅停車の旅はそれなりに厳しい。

駅の外に出てみると…

 そうして掛川駅に到着して、まずは駅の外に出てみる。東海道本線、つまり在来線と新幹線がともに乗り入れている駅なので、出入り口もとうぜん新幹線側と在来線側のふたつだ。新幹線でやってきたから新幹線の改札口から近い新幹線側から外に出よう。

 

 掛川駅の付近では新幹線は在来線の南側を通っている。だから駅の外に出てもまずは南側。やっぱりさすがは新幹線のターミナルで、駅舎は立派に整備されていて広場も大きい。客待ちのタクシーもいる。資生堂の工場なども近くにあるから、出張のビジネス客もいるのだろう。

 

 また駅前広場のど真ん中にはナゾのオブジェも鎮座しているし、駅の周りにはビジネスホテルの類いもある。「のぞみ」が停まる駅ほどではもちろんないけれど、やっぱり新幹線の駅前らしい堂々たる雰囲気を漂わせている。少し南に進んでいけば東名高速道路だ。