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「後ろから3両目にいた男が、急に座っていた70代の男性の右胸を刺しました。男性は意識不明の重体です。そのあと男は前方に進み、後ろから5両目で油のような液体を撒き、火を放ちました。すると男はまた後方車両、後ろから2両目に戻り、警察が駆けつけるまで、血のついた刃物を手に、タバコを吸って座っていたようです」
警視庁関係者などによると、刺された男性のほか、中学3年生~70代の乗客の男女16人が、火災によるのどの痛みなどを訴え病院に搬送されたという。中には、男に液体をかけられた人もいるという。
警視庁は殺人未遂の現行犯で、男を逮捕。男は自称住居不定、無職の服部恭太容疑者(24)だ。
手には刃渡り約30cmの刃物「小田急の事件真似た」
警察の取り調べに対し、容疑を認め「小田急の事件を真似た」「人を殺して死刑になりたかった。2人以上殺せば死刑になれると思った」などと供述したという。アマゾンで購入したという刃物は刃渡りが約30㎝もあり、強い殺意を伺わせる。
服部容疑者が言及した「小田急の事件」とは、今年8月に小田急小田原線の電車内で発生した無差別刺傷事件のことだ。対馬悠介被告(36)が、成城学園前ー祖師ヶ谷大蔵駅間を走行中の車内で、牛刀を振り回し、男女10人が重軽傷を負った。
「小田急の事件で、対馬被告は電車内でサラダオイルを使って火をつけようとしましたが、火が付くことはありませんでした。当時SNSなどでは、サラダオイルで火をつけられるはずがない、などと指摘されています。服部容疑者は『小田急の事件ではサラダオイルでは火がつかなかったので、ライターオイルを使った』と供述しています。発生時間の午後8時ごろ、というのも似ています」(同記者)