会見で語られたのは「眞子さんが主体的な立場だった」こと
会見と事前質問の回答で注目されるのは、圭さんやその母をめぐる金銭問題の対応や留学について、眞子さんが「主体的な立場」で当たっていたことを自ら示したことだ。
真偽や度合いは不明であるが、これは圭さんへの世間の逆風を共有しようとする心にほかならないだろう。会見での発言や、回答書の署名がいずれも眞子さんから始まっていたことでも、圭さんをリードしている関係性がうかがえるようである。
さらに目を引いたのは、金銭トラブルをめぐる一連の報道に対する不信感・拒否感の強さだ。眞子さんは「誤った情報が世の中では事実のようになっている」とする趣旨で、会見で1回、回答書で4回「誤った情報」というフレーズを使った。圭さんにも同様の発言が会見で1回、回答書の冒頭部分にも2回あり、「誤った情報」とする表現は全部で8回登場。このほかにも、「事実に基づかない情報」「根拠のない批判」といった類似の表現が複数回みられ、並々ならぬ無念さをうかがわせている。
遺族年金不正受給疑惑と「プリンセスの婚約者」特別待遇の疑念
特にその感情が顕著に表れていたのは、圭さんの母による遺族年金の不正受給疑惑や、圭さんが留学先の米フォーダム大学で「プリンセスの婚約者」として特別待遇を受けたとする疑念などについて具体的に尋ねた日本雑誌協会からの質問の回答書面だ。
眞子さんはこの質問に答える前に、「誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問」という言葉を2回繰り返し、この質問を受けたこと自体を「誠に残念」と表現。「このような質問に会場で口頭でお答えすることを想像すると、恐怖心が再燃し心の傷がさらに広がりそう」とし、こうした質問が、自らが診断を受けた「複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)」の原因につながっていることを示唆した。
これは会見での質疑応答を取りやめることを公表した際の理由と同一である。具体的にどんな言葉が恐怖心をもたらしたのかは公表されなかったが、質疑応答が取りやめられたのは、この質問を事前に眞子さんが見たためだと推定できる。
会見では、2人が「国民に伝えたい事柄を話す」と告知されていた。ふたを開けば、自由発言部分の多くについても圭さんとその母の疑惑やトラブルへの弁明に割かれており、これが「国民に伝えたかったこと」だったとの印象は拭えないだろう。