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師匠の言葉を励みに不遇時代を乗り越えたピコ太郎

 ですが残念ながら師匠はピコ太郎さんを見ずに逝ってしまいましたけど、師匠の見る目が正しかったのは証明されたわけですからね。

 そして師匠を追善する落語会にゲストでピコ太郎さんは出てくれています。きっと恩返しのつもりなのだと思います。

「人の評価はいいから、自分がいいって言ったらいいんだよって思い込め。な、やめんな。俺はお前のよさは判んねえよ。でもそれがいいんじゃねえか」

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 その師匠の言葉を励みにやり続け、ピコ太郎さんは不遇時代を乗り越えたんだとのこと。そして世界へ。

©️文藝春秋

 実にイイ話です。ただ、これを僕は中居正広さんの『金スマ』というTV番組で見て知ったんですけど、その時、複雑な気持ちになりましたよ。

 だって僕、誰に何言われてもやり続けろとピコ太郎さんに言った人から3回もやめろ(破門)と言われてるんですもん。

 やはりこの「誰に」は「師匠」も入ってたんですかね。

「判断にオリジナリティを持て」

 こうした基準もまた師匠が師匠たる所以。それで同調圧力が苦手な人、はみ出し者、そういう人達からも好かれました。

 だからこそ破門の時、「自分からはやめない」と僕は決めたのでしょう。

「やる奴は止めてもやる」

 そういえば師匠に相談したあるタレントさん、もともと知らない方でしたが、その後まったく何も聞かないし、どうしているのかも知りません。

 やり続けられなかったのかな。

©️文藝春秋

 人生への期待に裏切られたとしても、そこから始まる場合もあると思うんです。それでもやれるか否か。

「やる奴は止めてもやる。やらない奴はいくら言ってもやらない」

 沢山の弟子を育てた師匠が、折々よく言っていたことです。

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