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「貸す? こんな状態で、家、普通…」引越し先の汚トイレをめぐって管理会社とバトルした話

同族企業がすべて悪いというわけではないのだけれど…

2021/11/08

 先日、大阪から東京へ引越しをした。

 緊急事態宣言下のため内見はオンラインで済ませており、室内に一度も立ち入らないまま入居契約をし、入居当日、遠路はるばる大阪から新居へ到着した。一緒に引越した猫ちゃんは初めての新幹線や電車での移動に大層怯えており、新居に着いてケージから出るやいなや、私のTシャツの中に入ってきてしばらく出てこなくなってしまった。

警戒してTシャツにくるまる猫 ©吉川ばんび

 あまりにも出てこないので、一旦猫ちゃんをくるんだままTシャツを脱ぎ、トイレに立つ。これが事件の始まりだった。

突然の「うわぁ!!」

 トイレの扉を開け、便座の蓋を開けた途端、予想外の事態に「うわぁ!!」と自分でも驚くほど大きな声を出してしまった。便器の中に汚物(大きい方)がベットリと残されていて、水溜まりの部分にはトイレットペーパーがびっしり張り付いている。賃貸物件とはいえ新居であるはずで、ハウスクリーニングも行われているはずのトイレではありえない光景に頭の中が「?」でいっぱいになり、混乱して写真を撮る前に水を流してしまった。

 水を流すと少しだけ汚物が剥がれて流れてはいったものの、時間が経って緑色になった汚物と張り付いたトイレットペーパーは非常に頑固で、トイレには相変わらず悪臭が立ち込めていた。少し冷静になってトイレ中を見渡してみると、空になったブ●ーレットと、明らかに前の住人が使っていたであろうトイレブラシが残留している。

 この時点で「ハウスクリーニングが入っていない」と確信。気持ち悪くてトイレを使う気も失せてしまい、引越し業者がもうすぐくる時刻だったこともあり、写真だけ撮って一旦トイレのことは頭の隅に置き、荷物の運び込みを完了させた。

 その時点でもう夜になり、管理会社に連絡をするも繋がらず。仕方がないのでその日じゅうの対応は諦め、次の日の朝イチで電話をかけることにした。私にとってトイレは安全地帯的な役割をもっていて、これまでずっとトイレだけは綺麗に保ち続けていた身としては、この一晩が本当に厳しかった。自分で掃除しようにも、前の家の退去時にトイレブラシを廃棄してしまっていたため、翌日にならなければ掃除もままならない。なるべくトイレに行かなくて済むよう水分摂取は最小限に、膀胱が破裂するギリギリまで我慢して一夜を過ごすのが本当につらかった。