――今度は紅蘭さんのキャラをメディア側が“盛って”いったと。
紅蘭 私が真面目なことを言ってもオンエアには使われませんでしたね。私からしたらポールダンスも芸術であり競技ですけど、世間のイメージはエロとかイロモノとか、そういう感じですよね。
前は父からも「ストリッパーになったのか」と言われたこともあります。でもヨーロッパの大会の映像を見せたり、技の説明をしたりしたら、「オリンピックの競技になればいいな」と理解してくれて。
――紅蘭さんにとっては自分の好きなファッション・見た目をしていただけで、キャラを作っていたわけではないんですね。
紅蘭 テレビ受けを狙って面白くしようとか、ぶっ飛んだキャラでいよう、みたいなことはなかったですね。
有名人の写真を見せられても、名前がわからない
――タレントとしてのお仕事を振り返って、他にどんな苦労がありましたか。
紅蘭 日本のテレビ番組を全く見ない家だったので(詳細は前編)、有名人を知らなすぎて。それはかなり大変でしたね。たとえば明石家さんまさんレベルの方もわからない、みたいな。それくらいの知識だったんです。
――芸人さんの持ちネタとかをされても反応できないですよね。
紅蘭 だから私の反応でバレちゃうんですよ。「この人、僕のこと全然知らないな」って。でもそれもバラエティでは面白がられて、さんまさんレベルの有名な方の写真を見せられて、「適当でいいから名前言ってみて」って。
それで私がでたらめな名前を言うとスタジオは大爆笑。でもこっちは「何がそんなに面白いんだろう?」って感じでした。
――それまでは、そういった紅蘭さんの個性を周囲は自然に受け入れていたのでしょうか。
紅蘭 私は幼稚園から大学まである一貫校に通っていたんですが、そこは芸能人やクリエイティブ系の親が多かったので、自分が他と違うとか、普通じゃない、みたいに感じることがほとんどなかったんです。
カルチャーについても、皆が見ているものを見ていなくてもそれをいじったりするような空気がなくて、「ふ~ん」ってだけ。だから芸能界に入ってびっくりしました。