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母と妹と3人暮らしで、地元記者によると、父と母は離婚していたようだ。母と2人で暮らす母子家庭のジョーカーを見て、密かな共感を得ていたのかもしれない。
実はアメリカでは、映画上映当時にジョーカーへの共感を危険視する向きもあった。
アメリカで12人を銃殺し「ジョーカーだ」と名乗った犯人
ジョーカーが登場する、バットマンシリーズの2012年公開映画「ダークナイト ライジング」公開時には、米コロラド州の映画館で上映中に客が銃を乱射、12人が死亡、58人が負傷する事件が発生。当時、加害者であるジェームズ・ホームズは、逮捕直後に警察に対し、自らを「ジョーカーだ」と主張していたと報じられている。
2019年に「ジョーカー」が公開された際には、事件の被害者の関係者らが映画への懸念を表明する手紙を、映画会社のワーナー・ブラザーズに送ったことが話題になった。実際に公開後、カリフォルニア州の映画館が脅迫を受け、上映を中止し警察官が駆け付ける事態にも発展している。
服部容疑者はこういった“危険分子”のうちの一例だったのだろうか。
映画終盤のクライマックスシーンでは、ジョーカーは自身が地下鉄殺人事件の犯人であることをテレビでカミングアウトし、こう告げる。
「僕にはもう失うものはない。傷つけるものもない。僕の人生はまさに喜劇だ」
暴動で火に包まれた街を背景に喝采を浴び、エンドロールへと向かうが、現実は異なる。自身を映画の主人公に重ね合わせた幼いナルシシズムが、多くの乗客を巻き込む惨劇を生んでしまった。
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