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タイミングは矢野氏の狙い通り
衆議院選挙前というタイミングについては、有力政治家からの反発もあった。「なぜこの時期にバラマキ批判をやるのか」「党の政策に文句をつけるつもりか」という政と官の問題だ。増田氏はどう見たか。
「矢野さんとしては、日本の財政状況を正確に伝え、選挙戦で活発な議論をしてもらいたい。政治家ばかりでなく、国民みんなで財源についても議論してもらいたいと考えたのではないでしょうか。受け取る側は、財務省の意見に賛成でも反対でもいいのです。国民がしっかりと考えたうえで投票すればそれでいいわけですから。
政治家からの反発はあったとはいえ、政治家も矢野論文を無視することはできませんでした。実際の選挙戦では、各党とも不十分とはいえ、『財源』に言及する機会が多かったように思います。給付金を約束するにしても、財源のこともちゃんと考えているという姿勢を見せないと批判されると考えたのでしょう。矢野さんの意見表明がなければ、財源のことなどほとんど触れられることなく選挙が終わっていたかもしれません。この変化は矢野論文の非常に大きな成果と言えます」
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浜田宏一氏、増田寛也氏、斎藤幸平氏――各界の3賢人が国家財政を論じた「『矢野論文』大論争!」全文は、「文藝春秋」12月号(11月10日発売)と「文藝春秋 電子版」に掲載される。
この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
モノ言う官僚を受け入れろ
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