「バラエティーばっかりやっててもな」
――今では売れっ子ばかりです。
上島 そうなんですけど、お笑い界はいくら金がなくても先輩が払うのがルールなので、いまだに一緒に飲む時は僕が払うんですよ。気分は“子分”なのに(笑)。
――30年以上のキャリアがあると、普通は成功体験を後輩に語ってみたくなったりするものだと思うのですが、上島さんはそういう時期はまったくなかったんですか?
上島 ちょっと天狗になっていたというか、「バラエティーばっかりやっててもな」みたいな生意気なことを思った時期は正直ありました。普段はバンジージャンプ飛んでる自分がたまにドラマに出て、「演技もいけるね」なんて褒めてもらったら舞い上がってしまって。
――上島さんのドラマというと、2010年に嵐の大野智さんが主演した「怪物くん」(日本テレビ)の印象が強いです。
上島 そうそう、調子に乗ってたのはまさにその時期。「怪物くん」でオオカミ男っていう主要メンバーの役をもらって、視聴率がよかったのも自分の手柄みたいに勘違いしてね。でも自信満々でオンエアを見たら、セリフは棒読みだし演技は下手くそ。1シーズン終わる頃には、「やっぱり芝居の世界に行かなくてよかったな」って痛感しました。
――そういえばダチョウ倶楽部ではドラマのような個人の仕事のギャラも3人で分けると聞いたことがあるのですが、本当ですか?
上島 本当です。リーダーは「個人の仕事はそれぞれにしようよ」って言ってた時期もあったんだけど、僕と寺門が「1人でも3人で分けたほうがいい!」と譲らず、リーダーは優しいので折れてくれていました。今はバラバラになりましたけどね。
上島さんの周りでは、「竜兵会」を筆頭に後輩たちのエピソードが多く登場する。しかし上島さんに大きな影響を与えたのは、3人の“大先輩”たちとの密接すぎる関係だった。(#2につづく)