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2階には「ろうそく・線香」コーナー、そして数珠まで
一方2階は、カップ麺や調味料等の加工食品、飲料品、生活用品が中心。その他にも文房具や衣料品、さらには「ろうそく・線香」コーナーまであり、昔ながらのよろず屋のような雰囲気も感じられた。
どうして椅子がこんなにあるの?
小さな店なのに、座れる場所がいくつもあるのも印象深かった。まずは2階へ上る階段のささやかな踊り場に、2人座れるくらいの小さなベンチが1つ。狭い空間をうまく活かしている。これに加えて2階の売場にも2か所、背の低い1人掛けのイスがあった。足腰の辛い年配客向けのものかと思い込んでいたが、子どもが座っているのを見かけた。確かにこれはちょうどいい高さかもしれない。
商品棚が並ぶ中にポツンと置いてあり、特に休憩スペースとして整備されているようではない。実にさりげないけれど、商売っ気からではない親身に寄り添う気遣いが表れていると思えた。店構えのいかつさとは、まさに正反対だ。こういうところにも、看板が無くともこの店が愛され続けてきた秘訣が隠れているのかもしれない。
もしかしたら皆さんの身近な場所、あるいは旅先の街にも、このように実は見所いっぱいのスーパーがあるかもしれない。これからはちょっと見方を変えて、スーパーのたたずまいにもぜひ一目を置いて頂ければと思う。見過ごされていた発見が、必ずやあるはずだ。
写真=伊東秀爾