昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2017/11/19

言ったほうがいいなと思ったことは我慢しない

――ホームで行なわれた4月15日のFC岐阜戦。3-3で引き分け、試合後にグラウンドで即席ミーティングを開いたこともあったとか。Jリーグではなかなか聞いたことがありません。

「試合直後は監督も選手も興奮しているから話さないほうがいいとか、実際に映像を確認したうえでミーティングしたほうがいいとか、その原理原則は間違ってないと思うんです。僕も冷静に把握できているのかと聞かれたら、そうでもない。選手のなかには、勝てなくて冷静になれていない者もいる。でも、思ったこと、感じたことをあの場で話すことによって、彼らの試合に対する感じ方と僕の言葉が合わさって、より考えるようになると思うんです。そのうえで週明けのトレーニングを始めてほしいな、と。今年、言ったほうがいいなと思ったことは我慢しないで言っています。もう9割ぐらい」

――思ったことをすべて伝える。信頼関係があるから、できることなのかもしれません。

「今シーズン、僕が新しく見つけた選手への方法論ですね。意外に(選手が)分かってないこと、意外に伝わってないことって多いんだなと感じました。シーズン通して、ちゃんと自分の言葉で伝えることはやっています」

©杉山拓也/文藝春秋

――基本的に思ったことをすべて伝えてきた、その効果というのは?

「連敗が一度もなかった。これは一つ、効果と言えるかもしれない。1試合1試合において、選手と一緒に向き合ってきたつもり。僕だけが一方的に分析して、選手たちが何も考えずに聞いているだけの時間というのはそんなに多くなかった。それが今年のベルマーレの強みだったかなとは思います」

――まさにスローガンに掲げている「共走」ですね。

「会社でも各部門の部長さんが引っ張っていくみたいなところはあるかもしれないけど、やっぱり、1人よりも2人、2人よりも3人ってつながっていくと、全体の力になっていくじゃないですか。サッカーも集団でやるもの。いつも試合に出ている選手は、みんなで切磋琢磨できているから俺は出られているんだと思わなきゃいけないし、試合に出られなかった選手は、その悔しさをグッと押し殺してチームのためにやらなきゃいけない。共走とはそういう意味。出ている選手、出ていない選手も全員ひっくるめての言葉なんです」