文春オンライン
「空き巣、強盗、薬物のプッシャーを…」モルモン教徒の被害者が“札付きグループ”にいたワケ《川口市“遺体なき殺人事件”》

「空き巣、強盗、薬物のプッシャーを…」モルモン教徒の被害者が“札付きグループ”にいたワケ《川口市“遺体なき殺人事件”》

genre : ニュース, 社会

note

被害者が語った複雑な家庭環境、愛のない女性関係…

「彼は私の家に何度も遊びにきました。その時には『自分には親がいない、捨てられた』『子供のころからヤクザに育てられてろくに高校もいっていない』『これまでたくさんの女性とSEXしてきた(でも愛を知らない)』『10代の頃、ヤクザの兄貴に連れられてフィリピンに行ったことがある』などと話していました。

 彼は素直で人懐っこいのに、そんな境遇だったと知って不憫になってしまってね。父親役を買って出たんです。彼が生活上必要な契約をする際には、保証人にもなりましたよ」

 熱心に宗教活動に励んでいたという伊藤さんだが、あることがきっかけで教団を追われることになる。モルモン教は婚前交際を禁止しているのだが、当時交際していた5歳年上のバツイチ女性との関係がバレてしまったというのだ。

ADVERTISEMENT

「彼が追放されたのは21、22歳の頃でした。それでまた悪い道へ戻ってしまって、川口のバーで働き出した。私は心配で『大丈夫か?』と連絡をいれたことがありますが、彼は『自分はヤバイかどうか見極められる目があるから大丈夫だ』と。でもその後、彼から連絡は来ませんでした」

島田被告の自宅マンション ©文藝春秋

 1度は更生を試みた伊藤さんだったが、叶うことはなく、殺人事件の被害者になってしまった。男性はいまの心情を、悔しそうにこう吐露した。

「非常に残念です。でも覚悟はしていました。彼が行方不明だということは昨年春に埼玉県警の方から聞いていましたから。もうこの世にいないかもしれないとも……。

 彼にはまっとうな、ごく当たり前の幸せを味わって欲しかった。彼は夢とかそんなことを語ることはなかったんですよ。今を生きることでいっぱいで、視野が狭くなってしまっていたから。彼の生きた24年はなんだったのか……。家庭が複雑で、学校もいかず、可哀そうで仕方ないです」

 男性は「彼は悪の道を断ち切れなかった」とポツリと呟いた。残酷な手法で死体をバラバラにした“遺体なき殺人事件”。警察は引き続き、詳しい経緯を捜査しているという。

文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。

※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

「空き巣、強盗、薬物のプッシャーを…」モルモン教徒の被害者が“札付きグループ”にいたワケ《川口市“遺体なき殺人事件”》

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー