その事業プランをいろいろな人に相談していたら、同じようにコミュニティにフォーカスし、レストランガイドの事業を計画していた人たちに巡りあいました。レストランから始めてほかにもマイクロコミュニティをたくさん生み出していき、最終的にはコミュニティのポータルを作ろうというビジョンが一致して、じゃあ、一緒にやりましょう、ということになったのです。
リクルートで関わった『住宅情報』や『エイビーロード』といった専門誌もそれを読んでいる方々の間でコミュニティができていきますし、ツイッターもユーザーがさまざまな発信をしたり、興味のあるものについて情報収集をしたりする中でマイクロコミュニティがたくさん生まれます。
そういう部分では「コミュニティの力で人の役に立つ」ことは私にとって大きなテーマと言えるかもしれません。2度目の起業でクラウドファンディングを題材に選んだのも「挑戦する人を応援したい。そういった社会を作るお手伝いをしたい」という思いがありました。
結果的に「人のため」が自分のためになる
「人のため」というのは利用者の方に限ったことではありません。会社の従業員、広告主、取引先……例えば、自分の会社のメンバーの給料を引き上げて生活をよくすることや、しっかり自身の実力を発揮してもらうことだって、「人のため」だと言えると思います。
私は自分自身のエゴがない人間ではありませんが、周囲が成功することや、メンバーがうまくいくということに対しての願いは強い方かもしれません。それに、「人のためにやることが結果として自分のためになる」ことも多いのです。
私の経験から言っても、自分が成功するよりも周りのメンバーが成功したほうが、事業はスケールします。自分が目立ったり、手柄を立てたりすることは瞬間的にはすごく気持ちがいいのですが、大きな成果を上げるという意味では限界がある。