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長沼ボート場案は見送りに

〈小池都知事が長沼ボート場を視察した3日後の10月18日、IOCのバッハ会長と小池都知事の会談が行われた。その会談でバッハ会長は長沼ボート場開催案について「開催都市に選ばれた後にルールを変えないことこそ利益にかなう」と否定的な発言。日本カヌー連盟も長沼開催に反対を表明し、結局ボート競技は東京で開催されることとなった〉

――小池知事は村井知事になんと説明したのですか。

村井 メールが来ました。電話もあったかな。結局みなさん(IOC・組織委・ボートの競技団体など)の理解が得られないと。そこで私は小池さんに「でも小池さんがぜひ宮城でやりたい、もしできないならボートはやりませんと言ってくれたら宮城でできますよ」とは言ったんですけど…。もし私が都知事ならそう言いましたね。

村井知事 ©️時事通信社

被災者をいじめているとしか思えない

〈当時、組織委は長沼ボート場代替開催の検討過程を「水面下で打診された、極めて不透明なやり方」と批難する声明文を発表。それを受けて村井知事は会見で「水面下で話したことなどない。被災者をいじめているとしか思えない。情けない」と批判した。〉

――組織委の対応に不信感を持ったと、当時も知事は発言されていましたね。

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村井 県民の皆さんも、地元のボート関係者も、非常に期待をしていましたしね。私自身、多少県からのお金の持ち出しがあっても、復興五輪のレガシーになるなら開催したいと思いました。その後は毎年インターハイなどで学生に使ってもらったり、観光にも繋がるかもしれないので地域の活性化になると期待していたから、本当に残念で、がっかりしました。道路、選手の搬送、仮設住宅、どんどん準備を進めていく中でパシャーンですから。

 【#2へ続く