県警の調べに対し、男子生徒は「私がやったことに間違いありません」と容疑を認めているという。同じ小学校出身で、昨年はクラスも同じだった2人だが、事件の兆候を学校は把握していなかったという。
「弥富市の教育委員会が午後2時から開いた記者会見によれば、学校側が2人の間のトラブルを把握していなかったといいます。伊藤くんについては、10月に行われた体育祭で活躍していたと語り、加害者の男子生徒についても『普通の中学生という感じで生徒指導の対象となるような問題のある生徒ではなかった』と述べています」(前出・地方紙記者)
事件のあった中学校は、名古屋駅から車で30分ほど。弥富市は日本有数の金魚の産地としても知られているが、古くからの家や田んぼに囲まれているのどかな地域で、近隣住民同士の繋がりも強いという。十四山中学校に子供が通っているという保護者は、2人の印象をこう語る。
「大きな町ではないので、子どもたちも保育園児の頃から知ってる子ばかりです。伊藤くんは小学校のときはサッカー部でしたが、中学にはサッカー部がなく野球部に入り、そこで活躍していました。下の学年の子の面倒を見たり、ハンディがある子にも分け隔てなく優しく接しているのを見かけたことがあります。リーダーシップもあって、学年の中でも目立つ、中心的な存在でした。
事件を起こしてしまった子は、パッと見は大人しそうな子という印象です。伊藤くんとは小学校時代からずっと一緒に上がってきた子で、何があったのか想像もつきません……」
地元の混乱が収まらない中、事件発生から11時間ほどが経過した24日19時頃、中学校の体育館で臨時の保護者会が開かれた。出席した保護者が語る。
「冒頭、学校側から『学校のことで申し訳ない』という謝罪があった後、時系列に沿って事件についての説明が行われました。ただ、具体的に2人の間で何があったのかは学校側も分かっていないようで、明日から予定されていた期末テストの延期など今後の対応についての話にも時間が割かれていました」
保護者からは、生徒たちのメンタルケアに関する要望が多く出されたという。
「子を持つ親としては、やはり子どもたちの精神状態が心配です。スクールカウンセラーが1人はいるということでしたが、それだと足りないので増員してほしいと伝えました。出席していた市の教育委員会の方が県に要望を出すという回答をしていましたが、一刻も早く事態の収束を計ってほしいです」
年明けには受験を控えた中学3年生の2人の間で、いったい何があったのか。県警は容疑を殺人に切り替え、詳しい経緯を捜査している。
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