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《ヤクルト20年ぶりの日本一》「選手やスタッフはヤクルト飲み放題」“ファミリー主義”スワローズの勝負強さはどこから来るのか

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過去にチームが連覇を果たしたのは一度のみ

 村上が入団した18年から2年間、ヤクルトの1軍ヘッドコーチを務めた宮本氏はこう振り返る。

「村上は僕のこと嫌いだと思いますよ(笑)。ヤクルトの4番ではなく、日本の4番になるべき存在だと思ったし、皆の模範となる選手になって欲しくて、練習態度や身なりなども相当厳しく指導しましたから」

 一方で、ラミレスやバレンティンら、助っ人外国人の発掘にも定評があるヤクルト。宮本氏が明かす。

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「まず戦力的に、ヤクルトは外国人選手に頼らざるを得ない事情がある。人気球団なら開幕後、1カ月も打てなければ見切りをつけられてしまうが、ヤクルトは少々打てなくても我慢して起用し続けるしかない。狭い神宮球場は打者に有利ですし、もともと素材のよい選手を獲っているので、多少時間がかかっても、馴染めれば結果が出始める」

 99年、来日1年目に打率3割と40本塁打以上を打ってホームラン王に輝いたペタジーニも、4月終了時点では、2割そこそこの成績だったのである。

 球団の公認女子マネージャーに任命されたこともあるタレントの磯山さやかがこう締めくくる。

「優勝した時はもちろん嬉しいですし、低迷したシーズンでも、今は若手選手が育つのを待つ時期なんだなと、期待が生まれます。団結力が素晴らしく、家族や親戚、友達のように感じさせてくれる雰囲気があります。毎シーズン、ファンの一員でよかったなと思わせてくれるチームです」

 過去にチームが連覇を果たしたのは一度のみ。高津ヤクルトの真価が問われるのはこれからである。

ベンチでは明るい掛け声が飛び交う

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