結婚した2人は映画3作で共演、2回も恋人役に
かねてから交際報道が出ていた菅田将暉さんと小松菜奈さんが11月15日、それぞれのSNSや所属事務所を通して結婚を発表しました。
独特な存在感を放つ演技巧者である菅田さんと小松さん。役者同士の結婚自体はめずらしくありませんが、二人は2016年の初共演以降、わずか5年間のうちに3作の映画で共演しており、作品の撮影を通じて心の距離を縮めていったことは想像に難くありません。
そこで今回は二人の共演映画である2016年公開の『ディストラクション・ベイビーズ』、『溺れるナイフ』、そして昨年公開した『糸』の3作品を、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者が振り返っていきたいと思います。
※本稿には『ディストラクション・ベイビーズ』、『溺れるナイフ』、『糸』のネタバレがあります。あらかじめご了承ください。
『ディストラクション・ベイビーズ』/さんざんな目に遭わせ合う初共演作
無軌道な暴力。加速する狂気。救いのない破綻。
端的に表現するなら、映画『ディストラクション・ベイビーズ』(2016年公開)は、そんな映画でした。
舞台は愛媛県の松山。獣のように喧嘩に明け暮れる主人公・泰良(柳楽優弥)、泰良の狂暴性に魅了され利用する裕也(菅田将暉)、そんな二人に巻き込まれ拉致されるキャバ嬢・那奈(小松菜奈)。物語後半はこの主要キャラによる三人芝居がメインで、誰一人として正義も矜持も持ち合わせていません。
さて、泰良は序盤から終盤まで一貫してただ単に殴り・殴られ、血を見ることに快楽を覚えるバトルジャンキーといったキャラでしたが、菅田さん演じる裕也は作中で最も“変わっていく”役どころでした。
当初は仲間たちとダラダラ生きるお調子者のマイルドヤンキー。仲間が泰良に襲われてもビビッて戦いに加わらないようなキャラでしたが、物語が進むにつれ、次第に裕也が内包していた狂気性がにじみ出てくるのです。
それは女性への暴力衝動。繁華街で目につく女性たちを無差別に暴行していき、あげくに「前から思いっきり女殴ってみたかったんすよ」とのたまうその姿は、控えめに言ってクズでした。