本作は、中島みゆきさんの同名曲をモチーフに、平成元年生まれの高橋漣(菅田)と園田葵(小松)の18年を描いた物語。
北海道で育った二人は13歳で出会い恋に落ちるも、葵が養父から虐待を受けていたことが理由で離れ離れに。それから8年後、北海道で働いていた漣は、東京で開かれた友人の結婚式で葵と再会。しかしそのとき葵には彼氏がいたため、復縁することなく再び別々の人生を歩んでいく――というストーリーです。
“未完の恋”があるならば感情移入してしまう作品
きちんと決着を付けられなかった学生時代の“未完の恋”を、綺麗な思い出として胸の奥底に秘めている人は少なくないはず。そういった“未完の恋”はもう叶うことはないゆえに永遠のものとなっているでしょう。かくいう筆者もそういった“未完の恋”を抱える者のひとりのため、ベタな展開だとわかっていながら、恋愛感情の琴線に触れるシーンが多くありました。
中学時代は「葵ちゃん」と呼んでいた漣が、再会後は「園田」と苗字で呼ぶ心情。
しかし、感情が昂ったときだけ、つい「葵ちゃん」「葵」と呼んでしまう。
すでに別の恋人がいるのに、お互いに「彼氏」「彼女」がいるとは明言しない。
二人が抱擁するシーンで、友情ではないが、恋愛感情だとも表に出せない葛藤。
空港で別れる際、次に会える保証もないのに連絡先を交換しない・できない気持ち。
……このあたりのシーンは、学生時代の“未完の恋”がある方々ならばぐっと感情移入してしまうのではないでしょうか。
次回の菅田将暉と小松奈々の共演作に期待
そして、エンドロール、ラストシーンは恋愛映画において、これ以上ないほどストレートな王道エンドを見ることができます。
ベタ中のベタですが、本作はコレが“正解”だと思わせてくれる映画なのです。
そして、この主演俳優二人が現実で結婚したことは、心から胸が温まるニュースだと感じました。夫婦となってから再び映画やドラマで共演されるカップルはあまりいらっしゃいません。しかし、菅田さんと小松さんの共演新作を期待しているファンは、きっと多いことでしょう。