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囲碁将棋の”スクープ”も政治部発

 将棋の羽生善治と囲碁の井山裕太が受賞したときは、

『羽生・井山 国民栄誉賞』(2017年12月13日朝刊)と朝刊でどこよりも早く書いていた。

 他紙はこの報道のあとも「政府検討」という表現だったのに読売はキッパリ。それもそのはず、翌日の朝刊に内幕がすべて書いてあった。

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《羽生、井山両氏への国民栄誉賞の同時授与は、棋界の盛り上がりを願う政府が、1年半以上前から温めてきた構想だった。》

《「想定より早く機が熟した」(政府関係者)という。》

「政府関係者」から聞いているのだ。囲碁将棋だけに文化部マターかと思いきや、この“スクープ”も政治部発なのだろう。やはり政府・自民党の動向に強い読売だと思わせる。

「文春オンライン」「週刊文春」が報じた内容と同じ「独自」記事

 そんな特徴があるので読売の「独自」記事はよくチェックしているのですが、最近とにかく「独自」が多いのだ。しかも冒頭にも書いたようにこれって他がすでに報じていたよな? という“独自記事”もある。たとえばこれ。

【独自】月刊誌報道に校長とPTA会長「ありもしないこと書かれた」、いじめ否定文書を配布…中2凍死(読売新聞オンライン・11月12日)

11月に配信された旭川イジメ事件の報道にも【独自】が。半年前に『文春オンライン』でも報じられていたが…?

 旭川のいじめ事件についての「独自」記事だが、5月に『文春オンライン』が報じた内容と同じだった。

「謂れのない誹謗中傷に、驚きと悔しさを禁じ得ません」Y中学校校長がイジメ否定の文書を全保護者に配っていた(「文春オンライン」2021/05/20配信)

『文春オンライン』で5月20日にアップされた記事

 似たような例は他にもある。

【独自】テレビ局員の自殺「長時間労働が主な原因」、遺族に報告…パワハラ行為も(読売新聞オンライン9月29日)

こちらの事件も「週刊文春」で既報だが、【独自】の文字が。何か新事実が…?

 これは「週刊文春」(9月2日号)の記事と同じ。私は「独自」の意味がよくわからなくて一人でザワザワしていたのだが、文春のデジタル担当者もどうやら同じことを思っていたようでツイッター上でつぶやいていた

週刊文春担当者のツイート
読売報道の2週間以上前に「週刊文春」でも報じられていた