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「謂れのない誹謗中傷に、驚きと悔しさを禁じ得ません」Y中学校校長がイジメ否定の文書を全保護者に配っていた

「謂れのない誹謗中傷に、驚きと悔しさを禁じ得ません」Y中学校校長がイジメ否定の文書を全保護者に配っていた

180分紛糾の市議会で明らかになった新事実 旭川14歳少女凍死事件 ♯14

genre : ニュース, 社会

「本日、旭川市いじめ防止等対策委員会における調査の実施についてご報告をさせていただきました。冒頭私からこの調査に関係する、亡くなられた生徒のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆さまに対しまして哀悼の意を表し、お悔やみを申し上げる次第であります。改めまして市民の皆さま、大変多くの方々に多大なご心配をおかけしておりますことに深くお詫びを申し上げます」

 5月14日に開かれた北海道・旭川市議会の経済文教常任委員会冒頭。市教育委員会の黒蕨真一教育長が報道陣の前で深々と頭を下げると、無数のフラッシュが浴びせられた。

市議会の様子 ©️文藝春秋

※本記事では廣瀬爽彩(さあや)さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。

第三者機関が調査結果をまとめるのは11月

 文春オンラインでは、4月15日から13本の記事を掲載し、今年3月、旭川市内の公園で当時14歳だった廣瀬爽彩さんが、凍死した状態で発見された事件の背景には、Y中学校に通う上級生らからの凄惨なイジメがあったことについて詳報を続けてきた。爽彩さんが通っていたY中学校は、これまで「イジメはなかった」と繰り返してきたが、報道を受けて、改めて再調査に乗り出すことを公表した。

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廣瀬爽彩さん

 5月14日に開かれた委員会で、市教委は、本事案をイジメの「重大事態」として対処し、第三者機関である「旭川市いじめ防止等対策委員会」で調査を実施することを改めて表明した。5月中にも調査に着手し、事件に関係した生徒等へのアンケートや、聞き取り調査を行い、11月末をもって調査結果をまとめるという。