教育委員会は目を閉じて耳をふさいで知らないふりをしたとしか思えない
「当時、学校長とPTA会長との連名により保護者の方に宛てられた文書の内容については把握をしておりませんが、その文書の趣旨等については聞いているところでございます。その文書の趣旨といたしましては、当時月刊誌で学校名も含めまして掲載されたことにより当該生徒と当時在籍していた子供たちの登下校の安全ですとか子供たちの不安や悩み、そういったことの解消のため学校としての取り組みについて保護者に説明するために書いた文書であるという趣旨については伺っているところでございます」(市教委の教育指導課長)
「全く解せませんね。教育委員会は目を閉じて耳をふさいで知らないふりしてこれをやり過ごそうとしていたとしか思えませんよ、はっきり言って。2019年4月から母親が『イジメられている、調べてください』と訴えている。せめてこの6月の川に飛び込んだ時点でイジメとして対処していれば、命まで失うことはなかったんではないですか。はっきり言って初動ミス。学校任せにせず最初にしっかりとした調査を教育委員会として責任を持ってやっていれば子供の大事な命まで失うことはなかったのではないか」(能登谷市議)
黒蕨真一教育長は次のように語った。
「当該生徒が行方不明になられた際には私も早期に無事に発見されることを切に願っておりました。亡くなられたことは極めて残念でならないことでございます。これまでの一連の学校、それから教育委員会の対応につきましても調査機関の中で検証していただき、尊い命を救える手立てはなかったのかということを追及していくことが重要ではないかというふうに思っております」
学校や教育委員会の隠蔽体質に対して、3時間にわたって厳しい追及が続いたが、市教委は「第三者委員会の調査」を理由に詳細を語るのを避け続けた。
遺族は「言葉がみつかりません」
6月以降には次の委員会が開かれ、再び旭川14歳少女凍死事件について、議題に上がる予定だ。爽彩さんの遺族は文春オンラインの取材にこう答えた。
「転校した後に学校がそのような書面を配布していたことは知りませんでした。(学校側は)どうして嘘をつき続けるのだろうかと思います。保護者会でも同じでしたが、言えることと言えないことはあると思いますが、イジメのことに関わることはすべて『第三者委員会の調査のため』という言葉で答えないというのは少し違うのではないかと感じています」
事件からは既に2年が経過し、加害者らの記憶は薄れ、口裏合わせや証拠隠滅の危険性もある。捜査権のない第三者委員会の調査で、遺族の理解が得られる検証結果が出せるのだろうか。今後の旭川市教育委員会の対応に注目が集まる。
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