1ページ目から読む
2/5ページ目

イジメ凍死事件への質問が相次ぎ、会は3時間以上の異例の長さに

 経済文教常任委員会は約30分程度で閉会となるのが通例だが、この日は、爽彩さんのイジメ凍死事件に関する質問が市議会議員から相次ぎ、会は3時間以上にわたる異例の長さに及んだ。煮え切らない市教委の答弁に対して、市議らからの質問は厳しさを増していった。

 13時から市役所の会議室で行われた委員会には、多くの地元メディアや傍聴する市民が集まり、緊迫した空気に包まれていた。

ADVERTISEMENT

 会議は冒頭、市教委側からの報告が5分ほど行われ、続いて市議らによる質疑応答の時間となった。最初に質疑に立った菅原範明市議からは、「イジメの有無における学校の判断、市教委の対応」についての質問が投げかけられた。

市議会の様子 ©️文藝春秋

萩生田文科大臣がしっかりと調査するよう指示を促した

「この事案については文春オンラインが隠蔽の疑いがあるとして記事に取り上げました。(4月26日には)参議院においてもこの事案の問題の重要性が指摘され、萩生田文科大臣におきましても真相究明にあたって道教委や旭川市教委にしっかりと調査するよう指示を促したということであります。世間では学校また、市教委の対応のまずさ、不手際が大きな社会問題となっていたのではないかとの推測がある。学校、市教委の対応はどうだったのか?」(菅原市議)

 それに対し、市教委の担当者はこう答えた。

「当該学校では事案発生後すぐに当該生徒及び関係生徒からの聞き取りを行うと共に、警察の対応状況も確認しております。当該学校においては、事案発生の経緯や生徒同士の関係性等に関する情報から、イジメと認知するまでには至らなかったものの関係児童生徒への聞き取りの内容や学校の対応状況などについて、その都度教育委員会から報告を受けております」(市教委の担当者)

 市教委は改めて、イジメと断定しなかった経緯を述べた。菅原市議は続けて、こう質問を続けた。

報道と市教委の認識に大きな相違点があるのはなぜか?

「イジメの重大事態の疑いがあるとされ、西川(将人)市長は記者会見において今回、文春オンラインの報道と市教委が認識している内容と大きな相違点があると確認をされておりました。その認識の根拠となる書類というのは存在しているのでしょうか。また、今後相違点の事実などをどのようにして確認していくのか」

北海道旭川市の西川将人市長(右)と黒蕨真一教育長 ©️文藝春秋

「本事案に関わり当該生徒や関係児童生徒が在籍をしていた学校が作成をいたしました聞き取りの内容や、指導の状況、警察と連携した内容等についての記録や、当該生徒の転校先の学校が作成をいたしました当該生徒の状況や学校の対応等についての記録がありまして、これらを本事案に対するこれまでの教育委員会の認識の根拠としているものでございます。教育委員会では各学校からの報告内容をまとめた資料を作成しておりまして、これらの資料につきましては全て旭川市いじめ防止等対策委員会に提出をしてまいりますので、その調査の中で事実関係等明らかにしていく所存であります」(市教委の学校教育部長)