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なぜ【独自】表記が乱発しているのか

 ここまでをまとめてみる。

 読売側も「独自=スクープの認識」ということがわかった。しかし他の媒体で書かれていても気づいていない場合もあるという。こうなるとスクープとはなんぞや…とその「重さ」についても考えてしまう。

 なぜ【独自】表記が乱発しているのか。ここでひとつの推測ができる。記事のタイトルに【独自】とつくのはオンラインの記事だ。つまりアクセス数がよいからなのだろうか。電話でその点を尋ねたら「うーーん」とちょっと困ったようだった。

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 読者センターのおじさんとの会話だけでもよかったのだが、念のために文春オンライン編集部からも私の質問と同様のものを読売新聞社に送ってもらうことにした。

 すると回答がきた。

読売社内からも【独自】表記に異論が出ていた

 読売新聞オンラインに掲載している記事の見出しの冒頭にある【独自】の表記は、編集局の判断に基づくもので、当初は独自の取材に基づくスクープや調査報道の記事を対象としていました。その後、発表された事案などでも、それまでの取材で他社にない情報が含まれる場合、【独自】表記をつけるようになりましたが、こうした運用には、社内から異論が出たため、現在は、独自取材 によるスクープや調査報道などを対象とする当初の形に戻しています。  

 ざっくりいうと「もともとはスクープ記事につけていたけど→その後は記事に新要素が入っていれば既出のテーマでもつけていた→でも内部からも批判があり、スクープ記事のみに」という流れらしい。私の素朴な疑問はあながち的外れではなかったようだ。この機会に聞けてよかった。

 これまでなんとなく多く感じていた【独自】記事だけど、読売社内からも異論が出ていたことを知れたのは収穫だった。

 今回の当コラムはなかなかの「独自」ではないでしょうか。自分を褒めておきます。

 さて、私にはまだ素朴な疑問があります。

 東スポはUFOとか雪男とか他の新聞には載っていない独自記事を連発しているのに全然【独自】と打っていないのです。マイペースです。このへんの秘密もそのうち聞いてみたい。