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「非番でも自分は常にポリスなので、銃を必ず1丁は持ち歩く」 ロサンゼルスの警官YURIが明かす“アメリカのポリス”にあって“日本の警察官”にないもの

LA警官YURIさんインタビュー#2

2021/12/06
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 10月には、カリフォルニア州の認可を受け、「ラブ・スペクトラム」という人身売買の撲滅と、被害者をサポートするNPOも立ち上げました。将来的には施設もつくりたいので、思いに共感してくれる仲間を増やすために、もっと発信も強化していきたいと思っています。

「日本にないはずがない」くらいの意識を

──「ラブ・スペクトラム」の立ち上げに関しては、若者からの反響も大きかったそうですね。日本は安全で、人身売買など無関係と考えている人も多いのではと思いますが、YURIさんの発信が人々に響いていると感じますか?

YURI 人身売買は犯罪規模が大きく根深いので、私一人が声をあげたところで何も変わらないかもしれません。でも、私の動画を見て人身売買問題について興味を持ち調べたという方や、何かしたいと言ってくれる方がたくさんいたのは嬉しかったです。今後は、こうした声が無駄にならないよう、少しでも結果を出していきたいです。

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 日本には人身売買はないと思っている方が多いかもしれませんが、日本でも誘拐や失踪事件は起こっていますよね。人身売買は麻薬と並ぶ世界トップの犯罪ビジネスなので、「日本にないはずがない」くらいの意識を持つ方が増えれば、この問題も少しは進展するのかなと思います。

人身売買の撲滅と被害者サポートを目的にYURIさんが立ち上げたNPO「ラブ・スペクトラム」

NPOの活動にも力を入れつつ、本業のポリスも全力で

──書籍も出版されるそうですね。ますますお忙しくなりそうです。

YURI 来年1月3日に、私のこれまでの人生をまとめた書籍を出版する予定です。全部自分の言葉で書いているので日本語が不完全ですが、それが私らしくていいかなと。1月3日は父の誕生日なので、喜んでもらえたら嬉しいですね。パパっ子なんですよ、私。

 今もどこかで苦しんでいる子どもや、困っている人がいることを考えたら、寝ている暇なんてありません。「死んだらいくらでも寝る時間はある」と思って、この先5年間は、寝ないでがんばります。本も書くし、SNSでの発信もどんどんしていくし、NPOの活動にも力を入れつつ、本業のポリスも全力でやっていきます。白髪はさらに増えそうですが、まあいいかな、白髪くらい(笑)。

「非番でも自分は常にポリスなので、銃を必ず1丁は持ち歩く」 ロサンゼルスの警官YURIが明かす“アメリカのポリス”にあって“日本の警察官”にないもの

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