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13万円で買った美術品が510億円に…ダ・ヴィンチの名画と“アート界のからくり” 「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」を採点!

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〈解説〉

2017年に、史上最高額の510億円で落札された、レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の絵画とされる「サルバトール・ムンディ」(通称「男性版モナ・リザ」)をめぐるドキュメンタリー。長らく行方不明だったこの絵を、ニューヨークの美術商が2005年に落札したときの価格は約13万円。専門家たちの調査や鑑定により、新発見されたダ・ヴィンチの真作というお墨付きを得たこの絵に、投資目的のロシアの大富豪、手数料を騙し取る仲介業者、価格を吊り上げるマーケティングマン、国際政治での暗躍が噂されるアラブの王子らが群がり……。多くのドキュメンタリー作品で知られるアントワーヌ・ヴィトキーヌ監督が、この絵画にまつわる謎や疑問、アート界のからくり、美術品をめぐる金銭取引の実態に迫る。100分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆現代においても真贋はそんなにわからないものなのか?と驚いたり呆れたり。美術業界のギャンブル的な側面。生々しい。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆「百萬兩の壺」のような波瀾万丈の展開を期待したが、金持ちのカモが続出するだけでやや単調。百鬼夜行とは呼びがたい。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆13万円で買った一品が510億円に沸騰するアートの闇に引き摺り込まれた。何が真実で誰がハズレで結末どうなるか必見。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆現実がそのまま喜劇。今や美術市場はカネと欲望を巡る珍騒動の宝庫か。同題材を扱ったベン・ルイスの著作もご一緒に。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆ダ・ヴィンチの名画をめぐる甘く怪しい話は映画との相性が良い。それにしても工房作説やこの一枚に纏わる謎は面白い。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©2021 Zadig Productions © Zadig Productions - FTV

『ダ・ヴィンチは誰に微笑む』(仏)
TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中
https://gaga.ne.jp/last-davinci/

13万円で買った美術品が510億円に…ダ・ヴィンチの名画と“アート界のからくり” 「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」を採点!

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