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 愛子さまと同じ「天皇(上皇さま)の長女」である黒田清子さんは、結婚で皇室を離れても、伊勢神宮の祭主などとしてお務めをしている。外部から皇室を支えていることになるが、皇族の身分で支えるのとは、意味合いは大きく異なる。

 このように、制度面においては、愛子さまが結婚することを想定する限り、悠仁さまが中心となった次世代の皇室を、愛子さまがしっかりサポートされる将来を思い描くのにはいささか心もとない。

愛子さまが育ってきた環境

 それでは、制度面以外はどうか。

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 多くの国民から納得を得られぬまま皇室を離れた眞子さんと比較すると、愛子さまが育ってきた環境は2つの点で大きな違いがあるようにみえる。それは「天皇家としての伝統・教育」と「両親との絆」である。

更科日記を御覧になる愛子さま(宮内庁提供)

 前者は、幼い頃より両陛下や祖父母である上皇ご夫妻から、折に触れて皇室の伝統や歴史を学ばれてきたことである。一例は小学生から続けられている蚕の飼育だ。今夏には、赤坂御所で育てた蚕が成虫になった写真が宮内庁から公開された。蚕が繭を作りやすくする蔟(まぶし)という仕切りを職員と作られたという。養蚕には歴代の皇后が行ってきた伝統があり、上皇后さまや雅子さまも携わってこられた。

 また、天皇家にはサポート体制の手厚さもあり、宮家とは側近や職員の数、予算が大きく異なっている。例えば天皇家の3方を支える宮内庁侍従職には80人ほどが名を連ねる(皇太子時代は約50人)。これに対し、秋篠宮ご一家を支える皇嗣職は、平成の時代の宮家付の職員、約20人から増員されたものの大きな差がある。皇位継承順位1、2位の秋篠宮さまと悠仁さまがいらっしゃるのに少なすぎると考える方もいるだろう。

 愛子さまが、大学まで一貫して学習院に進学されてきたことも、教育面の利点に挙げられるかもしれない。眞子さんが学んだICUももちろん名門だが、学習院のご学友やその保護者の方が、皇族の立場やおつきあいの仕方を理解し、学校側にも皇族を受け入れてきた伝統と経験があるからだ。