「成長を見守り、温かい声をお寄せいただいている国民の皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます」。天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまは20歳の誕生日である12月1日にあわせて公表したご感想で、国民への感謝をこのように述べられた。「強行婚」によって小室眞子さんが皇室を離れた“余韻”が残る中、愛子さまの成年のニュースに、次世代の皇室がどうなるのかを想像した国民も少なくないだろう。愛子さまは将来、天皇になられた悠仁さまをお支えになるのだろうか。

12月5日、ローブデコルテに勲章、ティアラを身に付けた正装の愛子さま ©JMPA

愛子さまご成年は、皇室にもたらされた新しくポジティブな話題

 皇族は成年を迎えると、ご公務が徐々に本格化する例が多く、一般国民以上に大きな意味を持つ節目となる。

 愛子さまの成年行事については、在学する学習院大文学部日本語日本文学科の授業を考慮するとして、主要な行事が日曜日である12月5日に持ち越され、恒例の成年会見は来年3月に行われることになった。ご学業の多忙さが理由であるとはいえ、会見が月単位で延期されるのは異例だ。

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 誕生日前日の11月30日には、1日早く誕生日を迎えられた秋篠宮さまの会見内容が、新聞やテレビで一斉に大きく報じられた。眞子さんの結婚をめぐる発言がその多くを占めていたため、成年に関する主要な報道が、数日であっても日をおいて出ることは結果的に望ましかったといえるだろう。

 5日の主要行事は、愛子さまが皇室の祖先などをまつる皇居の宮中三殿を参拝し、宮殿で父親である天皇陛下から勲章「宝冠大綬章」を受け取るといった儀式である。正装で両陛下や上皇ご夫妻にあいさつもされた。陛下の妹である黒田清子さんから「借りる」として、報道で話題になっているティアラはこのときに身につけられた。

 宮内庁OBは「眞子さんの結婚の話題が一段落し、皇室の新しいポジティブな話題が、早く提供されることを願っていた」と話す。その役割を愛子さまに求める、国民からの潜在的な期待も大きいのではないだろうか。

愛犬「由莉(ゆり)」と、御所内のお庭を散歩する愛子さま (宮内庁提供)

皇族が減少するなか、愛子さまは重い存在

 愛子さまのご成年は、近い将来の皇室のあり方を考える上でも、大きな節目となる。

 皇族の減少が論じられるようになってから久しい。近年は三笠宮さま(2016年薨去)や、その長男の寬仁(ともひと)さま(2012年薨去)、次男の桂宮さま(2014年薨去)が亡くなった。また、皇族の女性は眞子さんのように、一般の男性と結婚すれば皇室の身分を離れることが皇室典範で規定されており、皇族は減る一方だ。皇室は現在、陛下や上皇さまを含めて17方となっている。