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東大野球部「“負けるのが当たり前”から、“最下位を脱出しよう”と上のステップに上がれた」 大手企業の内定を蹴ってソフトバンクに進む“学生データアナリスト”が行った“改革”

齋藤周さんインタビュー#1

2021/12/09
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――高収入が約束された大企業の内定を辞退して、先の見えない夢を追いかけることについて、ご両親の反対などはありませんでしたか。

齋藤 自分の人生は自分で決めようと思っているので、両親には「こうしようと思う」と報告だけしました。考えてみると、これまでの人生で両親から何かをやれといわれたことはなかったですね。自分の責任において自由にさせてくれた両親には感謝しています。

新庄監督のように「次はどんなことをやるんだろう」と思われる存在でありたい

――福岡ソフトバンクホークスからGM付データ分析担当としてのお話をもらった時はどんなお気持ちでしたか?

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齋藤 自分なりに全力でやってはいましたが、本当に反響があるとは思っていなかったので、お声をかけていただいたことに驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。1年前には自分がプロ野球界に入ることなどまったく想像できませんでしたが、小学生の頃から憧れていた世界に挑戦させてもらえることは、このうえなく楽しみです。

 福岡ソフトバンクホークスは、若手育成に力を入れていて、随一の施設と環境が整っている、日本ではこれ以上ない好条件だと思っています。若手選手の能力アップやチームの編成にデータを活用して、よりレベルアップさせていけたらいいなと思っています。

 

――目指すアナリスト像などがあれば教えてください。不安やプレッシャーはありますか?

齋藤 データを活用して今あることのなかから新しい形を生み出すことにも取り組みたいし、ファンの方々と球団の双方にとってプラスになる形を模索しながら発信も継続していきたい。不安より楽しみの方が大きいです。

 いろいろやっていきたいことはありますが、新庄(剛志)監督のように「次はどんなことをやるんだろう」と思われる存在でありたいですね。自分にできることはすべてやりきるつもりで挑戦していきたいと思っています。

――データ野球といえば、日本では故・野村克也監督のID野球が先駆けです。

齋藤 野村監督の書籍は小学生の頃から読んでいますが、自分よりも何歩も先を考えている方だと感じます。まだまだ追いつくどころか足元にも及びませんが、いつか追いつき追い越したいと秘かに思っています。(#2に続く

(撮影:平松市聖/文藝春秋)

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