メイクは、そのうち「ゴルフ」みたいになるんじゃないか
――今はメイクを楽しむ男性も出てきました。
神崎 そのうちメイクは「ゴルフ」みたいなものになるんじゃないかなって。老若男女誰もが「楽しいよね~」と言える娯楽、ですよね。実際、美容は「女性がきれいになるため」だけの域ではなくなってきています。
私も自分の好きなようにやる「モテないメイク」が大好きですし。
――神崎さんはどちらかというと「モテる方」のイメージがありました。
神崎 美容を仕事でやっていると、どうしてもコンサバに見られちゃうんですよね。まつ毛を白くしたりもしますけど、ただ外に出る媒体ではなかなか……。
――そういうものを求められない、ということですね。
神崎 そう、求められないんですよ(笑)。衣装もふわふわしたものをよく着ていますが、普段はパンツ派です。ビジネスにおいての自分と、本来の自分というのは見せ方が違いますよね。休みの日なんて、子どもと一日中公園にいてドロドロになってますし。
――かつて神崎さんはサッカー少女だったそうですね。
神崎 あだ名は「カンザキング」(笑)。真っ黒に日焼けしていて肌は万年ガサガサ。お弁当箱みたいに四角い顔で、髪は天パー。男勝りな雰囲気の子だったと思います。
――そんなスポーツ少女がある日突然、メイクに目覚めたのでしょうか。
神崎 小学生の時に使った「キャンパスリップほそみ」がはじめて使ったコスメグッズかな~。こう、繰り出し式のやつで。「私の顔がこんなにもかわいくなった!」と、子ども心にびっくりした記憶があります。
――コスメの原体験ですね。
神崎 スポーツ少女ではあったんですけど、小学生の時も耳にバニラエッセンスつけて学校行ったりしてて(笑)。だからコスメとか、いい香りのするものとか、興味はあったんだと思います。
――いわゆる「女の子らしい女の子」枠からはみ出ているかもしれませんが、当時から好きなものを追い求めていたんですね。
神崎 そうかもしれませんね。特に今の時代は、モテより自分らしくある方がよっぽど楽しいですよね。メイクしたくなければ全然しなくていいと思いますし、自由でいい。女だからキレイでいろとか、美しくなきゃいけないなんて決めつけは捨てちゃえ! って思ってます。
撮影=榎本麻美/文藝春秋