梅宮辰夫氏が遺した料理帖をもとにした料理本『梅宮家の秘伝レシピ』。 その監修を務めたのは、娘である梅宮アンナ氏(49)だ。 

 口座凍結という状況下で奔走した相続手続き、「取っ組み合いの喧嘩もした」という父・辰夫氏との関係などについて、辰夫氏が遺し、現在はアンナ氏が母・クラウディア氏と住む真鶴の自宅で話を聞いた。 (#1〜#3の#2/#1から読む)

自宅で取材を受ける梅宮アンナ氏

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相続の期限は10ヵ月……全然足りない

——辰夫さんが亡くなってからは、相続の手続きに奔走されたそうですね。 

梅宮アンナ氏(以下、アンナ) ほんとは亡くなった翌日から動かないとダメらしいんですけど、その時は知らなくて。亡くなって1週間くらいして税理士さんを訪ねたんですよ。

「相続、やらなきゃいけないんですよね」って聞いたら、「はい。亡くなった日から10か月間ですべてを終えないといけません」って。 

 

——相続の期限は、10か月なのですね。 

アンナ 10か月以内に相続税を申告しないと、罰金が発生したり、払う税金が加算されちゃうんです。税率がどんどん上がっちゃう。

 最初は「なんだ、10ヶ月だったら余裕じゃん」と思ったけど、ちっとも時間が足りなくて。もう、後半は毎日あっちこっち動き回って。ようやく、2020年の7月下旬に終わらせることができました。 

——梅宮家の場合は、何から取り掛かったのですか? 

アンナ 10年くらい前に対策はしてあったんですよ。税理士さんに、娘の百々果を両親の養子に迎えて私の妹にするように勧められて。

 ちんぷんかんぷんだったけど、「梅宮家の家族構成から考えるとそれが一番いい方法だろう」「それはちゃんと国が認めてくれているものだから。別に悪いことじゃないから」と言われて「わかりました」って。百々果と「姉妹になるんだって、私たち」なんて話してましたね。 

母・クラウディア氏と、幼少期の娘・百々果さん

 百々果を妹にすることで法定相続人に彼女も入って、3人で父の遺産を相続する形になるんですね。もし何もしないでいたら、私と母が相続して、母にはたいした相続税はかからないんだけど、私にはすごくかかっちゃってた。父が亡くなって、改めて話を聞いて意味もわかったし、「やっといてよかったね~」って。 

 安心して家に帰ったけど、今度は父が生まれてから亡くなるまでどこにいたのかを証明する戸除籍謄本を集めなきゃいけないと言われたんです。戸籍をたどって私たち以外に相続人がいないことを証明しないと、凍結された口座が開けないんですよ。これが大変だった。 

——辰夫さんは、かなりの頻度で住まいを変えられていた? 

アンナ 母が父と結婚してからは母に聞けばいい話だけど。ふたりが知り合う前に、誰と付き合っていて、誰と暮らしてたとかを調べなきゃいけない。