7つの雑誌で連載を持ち、著書の累計発行部数は144万部。「ナンバーワン美容家」と呼ばれる彼女は10代で芸能界デビューし、挫折の経験を持つ。
シングルマザーとなり、生活も危うかった20代を経て、「美容家・神崎恵」になるまでを振り返ってもらった。(前後編の前編/後編を読む)
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嫌厭されたくなくて……長年、顔出しは避けていた
――新刊『老けない美容、老ける美容』でもたくさんのテクニックを披露されています。モデルも神崎さんが務めていますが、美容家としてデビューした当時は、ほとんど顔出しをしていなかったそうですね。
神崎恵さん(以降、神崎) 出ても遠くから撮ったショットを小さーく最後のページにだけで、雰囲気のみの、幻みたいな感じでした(笑)。
――顔を出さない方針だったのでしょうか。
神崎 私が出ることで「なんかこの人やだな」と嫌厭されてしまって、本を手にとってもらえないことがないようにと考えた結果でした。だからわりと長い間、顔は出しても横顔だけとか、徹底してやっていたんです。
――同性に嫌厭されがち、という意識があったのでしょうか。
神崎 私は女子校育ちなのですが、大なり小なり、色々ありました。フリフリしたフェミンな洋服が好きでしたし、ビジュアルで遠ざけられるところもあったと思います。
――私もお会いするまでは「美の人」というイメージが強かったのですが、マスクを外して撮影する際に鏡も見なかったことにびっくりして。キメキメじゃなくて、かなりラフといいますか。
神崎 「美容家」というと、バラの花を持ってうっとり、みたいな画を想像しちゃいますよね。
美白に重きを置かれている方は昼間も絶対にカーテンを開けず、海なんて絶対に行かない、と徹底している方もいると思いますが、私はカンカン照りの日も子どもを乗せた電動自転車でぶっ飛ばしてますし、美容も好きな人が好きなようにやればいいと思っています。全然、マストじゃないです。