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明らかに顔から精気がなくなっていた

 飯島さんの知名度からすれば、相談に応じる人物が現れるのは必然だった。不動産業を営む青年実業家や美容整形外科医らが協力を申し出たというが、いずれも頓挫。その頃から、飯島さんには異変が見られていたという。引退後に会った芸能関係者が言う。

「芸能界で忙しくしているときに比べて明らかに顔から精気がなくなっていた。心身ともに疲れている様子で、タレント時代のオーラは消えていた。整体医に通うことが多くなり、以前から服用していた睡眠導入剤や精神安定剤を飲む量も増えていたそうです」

2001年9月、映画『プラトニック・セックス』完成披露記者会見での飯島愛さん ©時事通信社

 また、自宅マンション近くでは、深夜にふらついていたり、裸足で歩く奇行も目撃されている。時には携帯電話で口論していることもあったという。

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「事業がらみの金銭トラブルや恋人との別れがあったという話もありますが、『裏切られた』という言葉をよく言っていたそうです。誰かの裏切りが彼女を精神的に追いつめたという見方もあります」(芸能デスク)

亡くなる1カ月前のブログに〈1人じゃ生きていけない〉

 それから数カ月後に飯島さんは変わり果てた姿になっていた。亡くなる1カ月前のブログには、〈1人じゃ生きていけない〉と綴っていた。

 孤独死に至るほど、彼女は何に追いつめられていたのか。関係者の口は、いまも閉ざされたままだ。

「もう、終わったことだよ。みんなには関係ないこと。そっとしておいて」

 墓の中から飯島さん自身が、例の突き放したような口調で叱責しているのかもしれない。

(「文藝春秋」2010年10月号より)