ハダカを売る少女たちは、警察の摘発から追われるようにしてその土壌を変えてきた。
使用済みの下着をショップを介して売ったブルセラブーム、人知れず買春客がとれた出会い系サイト、表向きは男女の出会いの場だが裏では援助交際の交渉の場として機能していた出会いカフェ、流行語大賞にノミネートまでされたJKビジネス。みな過去の舞台だ。
少女たちが抱える「生きづらさ」
しかし、少女買春の逮捕者が断続的に報道されているように、売春を目論む少女たちがキレイさっぱり消えたワケではない。
「トー横キッズ」に「コンカフェ」――この、聞き慣れない単語は何か。コロナ禍で生まれた、令和の代表的な少女売春の根源である。
東京、新宿歌舞伎町。その中心部にゴジラのハリボテで有名な「新宿東宝ビル(旧コマ劇場)」がある。「トー横キッズ」とは、ビル東側の路地でたむろする若者たちのことだ。少女たちは全身黒ずくめの服装と、泣きはらしたような赤い目元や血色感の無い肌で、病弱で心が病んでいることを主張する。
「トー横」集合の目的は
新型コロナ前、SNSを通じて交流していた少女たちの一部がオフ会をする待ち合わせ場所としてトー横を使い始めた。少女らが歌舞伎町から自撮りを発信すると、裾野が広がり多くの若者たちが集まるようになった。これがトー横キッズの始まりである。
トー横集合の目的は何か。話を聞くと、少女たちはこう口を揃えた。
私たちは居場所を求めてやってきた。ここには救いがあるかもしれないから。
複雑な家庭環境や交友関係での疲弊。JKビジネスでカラダをカネに換えて承認欲求を満たしていたティーンのごとく、みな“生きづらさ”を抱えていた。