ガールズバーは時給3000円は出さないと女のコが集まらないところ、コンカフェなら1500円でも応募が殺到。店もスナック程度の小スペースでいい。シャンパンなどの高級ボトルが開けばキャバクラ並の売り上げも期待できる。だから他業種からの流入が加速した―ある経営者は雄弁に内情を語る。
ここにも、度重なる摘発や条例強化によりJKビジネスから姿を消した未成年者たちが集まっている。
「裏オプ」で“本番行為”も
昼過ぎから営業する店舗も多く、深夜帰宅を危惧する「親対策」もバッチリ。自然、現役高校生世代の溜まり場になった。メイドカフェ同様に、現役高校生が生息できるグレーな業態であるからである。
認知が進むと、一般的なJKたちにも「割のいいバイト」として裾野が広がる。事実、ある店舗は在籍40名のうち、約8割が18歳以下の現役か中退した少女たちだ。
少女がたむろすれば、買春目的の大人たちも集まる。彼らは少女とLINEを交換し、店を介さず店外での援助交際に誘う。そして少女もカラダをカネに換える。
手口は、JKビジネスの流れを汲む「裏オプ」という凶暴凶悪なアイデアだ。裏オプションの略で、表の接客サービスとは別に、客との直取引で手コキやフェラ、本番などの性行為をしてカネを得るのである。
心の拠り所を求めて
捜査関係者は、店舗外での個人交渉による売春の摘発について、無店舗のため実態が把握しづらいと地団駄を踏んだ。
摘発も困難ななか、コンカフェだけはちゃっかり隆盛し、売買春を目論む大人と少女をつなぐ場として機能している。
暮夜ひそかに、歌舞伎町と秋葉原は売買春に魅せられた男女で賑わっていた。コロナ禍で外出自粛が要請されるなか、連日ドンチャン騒ぎが行われているというのも不思議な感じだ。
トー横で、実の父親ほど年が離れたオヤジと交渉する、17歳。コンカフェで今夜の相手を見繕う、16歳。みなこの地に心の拠り所を求めて流転した、迷える主人公である。
◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2022年の論点100』に掲載されています。
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