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自分たちがやりやすいように変えていい

 それでも少しずつ、やり方を改めるPTAは増えています。強制をやめれば、PTAの雰囲気は大きく変わります。「いやいややる人」がいなくなるので前向きになり、「前年通り」という掟もなくなるので、より自由な運営をできるようになるからです。

 2020年春から広がった新型コロナウイルス感染症も、この改革の流れを加速させたようです。突如始まった一斉休校とともに、多くのPTAは活動休止になり、学校再開後も集まりを控え、オンラインで会合を行うケースが増えました。そして冒頭にも書いたように、「例年通りの活動をやめても実は問題はない」ことを知った保護者たちは、これを機に活動を減らしたり、「手挙げ方式」を導入したりし始めているのです。

 おそらくコロナが収束したら、元に戻ってしまう面もあるでしょう。でもきっと「戻らない部分」もあると思うのです。オンラインでのPTA会議を経験した保護者は、もう仕事を休んでまで学校に駆けつけることはないでしょう。「やめても大丈夫だった活動」を、希望しない人に強制することも、減るかもしれません。

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 仕組みは絶対不変でなく、「自分たちがやりやすいように変えていい」ということに、保護者たちはやっと気付きだしたところです。

◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2022年の論点100』に掲載されています。

さよなら、理不尽PTA!

大塚 玲子 ,おぐら なおみ

辰巳出版

2021年11月12日 発売