文春オンライン

天皇の長子・愛子さまが天皇になることを望む「女帝待望論」に高市早苗が答えた《“男女平等だから”は別問題》

#1

source : 文藝春秋 2022年1月号

genre : ニュース, 社会, 政治, 皇室, 歴史

note

一度の例外もなく男系

――男系とは父が天皇、もしくは父親の父親の父親の、と父方だけをたどっていくと天皇に行き当たるということですね。それに対して天皇の娘の子孫は父方が天皇ではない、つまり女系である、と。

聞き手の石井妙子氏 ©文藝春秋

高市 仮に、愛子さまが天皇に即位されたら、男系(父が天皇)の女性天皇になられる。その後、仮に愛子さまがAさんという民間の男性と結婚され、第1子に女子が誕生して天皇に即位されると、「女系(母親もしくは母方の先祖が天皇)の女性天皇」となられます。この天皇の男系の祖先はA家、女系の祖先は小和田家(雅子さまの父親の姓)ということになります。最初は男系の女性天皇、次に女系の女性天皇とすると、2代で男系の祖先も女系の祖先も民間人ということになってしまいます。

 父方の血統が、初代天皇から繋がっているのが皇統です。2600年以上の長きにわたり、1度の例外もなく男系でした。男性の天皇であっても女性の天皇であっても、南北朝時代にあっても、父親をたどれば必ず歴代の天皇に連なるという継承を維持してきた。今の時代に変えてしまったら、やり直しはききません。

ADVERTISEMENT

愛子さまを抱かれて宮内庁病院を退院される雅子さま、皇太子さま(当時) ©JMPA

――天皇の子孫であることが重要で男性でも女性でも同等に尊いとは考えられないのでしょうか。

高市 私は女性天皇に反対しているわけではありません。女系天皇に反対しています。女性天皇は過去にも推古天皇をはじめ八方(人)いらっしゃいましたが、すべて男系の女性天皇(天皇が父)です。在位中にはご結婚もなさらず、次の男系男子に皇位を譲られた歴史があります。男系による皇位の継承は、大変な工夫と努力を重ねて連綿と続けられてきたものであり、その歴史と伝統に日本人は畏敬の念を抱いてきました。