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化学物質に土地が汚染され、190頭もの牛が病死…たった1人の弁護士と巨大企業の“法廷闘争” 「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」を採点!

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〈あらすじ〉

1998年、オハイオ州シンシナティの名門法律事務所で企業弁護士として働くロブ・ビロット(マーク・ラファロ)は、見知らぬ中年男性ウィルバー(ビル・キャンプ)から調査の依頼を受ける。ウェストバージニア州で農場を営む彼によると、大手化学企業のデュポン社が埋立地に廃棄した化学物質により土地が汚染され、190頭もの牛が病死させられたという。訴訟を起こしたロブは、デュポン社が発ガン性があると知った上で、“PFOA”という危険物質を大気中や土壌に垂れ流し、40年間もその事実を隠蔽してきたことを突き止める。2002年、ロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟を起こすが、巨大企業との法廷闘争はロブと妻のサラ(アン・ハサウェイ)を心身ともに追い詰めていく。

〈解説〉

1人の弁護士が数十年にわたり、巨大企業を相手に闘い抜いた実話を、『ワンダーストラック』のトッド・ヘインズ監督が実写化した社会派ドラマ。126分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆実話をもとにした話とは言え型通りの展開、と思いつつ、贔屓のベテラン俳優たちの出演に引き込まれる。民主主義の理念。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆手堅くてムラのない織物だが、一本調子の感も残る。ただ、不穏な気配の水位を少しずつ上げていく技はさすがの腕前。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆大企業の不正を淡々と追う地味な話のようで、身の毛のよだつ恐ろしさ。様々な有害化学物質と無縁に生活できるのか?

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆変化球も得意な監督だが、今回はド直球。巨悪に挑む個の姿を通して環境問題に矢を放つ。製作を兼ねる主演者の熱も高い。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆環境スリラー仕立てだがラファロが牽引。名曲カントリーロードの歌詞が虚しい。在沖米軍基地のPFASも他人事じゃない。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(米)
12月17日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
https://dw-movie.jp/

化学物質に土地が汚染され、190頭もの牛が病死…たった1人の弁護士と巨大企業の“法廷闘争” 「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」を採点!

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